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WHOとICN その2

先々週の旅・・・と云っては不謹慎ですが、出張の後半は、初めてのイベリア半島、スペインでした。こちらの用務も二つ。

まずは、2017年5月27日~6月1日、かつて第25回夏季オリンピックと、第9回夏季パラリンピックが開催されたバルセロナでのICN大会です。看護関係者にはご承知のことですが、ICNは、International Council of Nursesの頭文字で、国際看護師協会の大会は4年毎に開催されます。

この度、5月27日の開会式で、日本財団笹川陽平会長が、ICNの「Health and Human Rights(健康と人権)賞」を受けられるため、WHO総会のジュネーヴからバルセロナにひとッ飛びとなった次第です。この賞は、ICNが、その綱領に基づき、健康と人権にかかわる分野に大きな貢献と顕著な成果をなした方を顕彰するため、2000年の理事会で設置を決めたものですが、ICNが看護師以外の人に出す唯一の賞であります。これまでに授与された人はたった3人、2001年の緒方貞子先生、申すまでもなく元国連難民高等弁務官、2005年のStephen Lewis (アフリカのHIV/AIDS対策に貢献したカナダの元国連大使)、2013年のMary Robinson(初代国連人権高等弁務官で、紛争まみれのアフリカ大湖沼地帯関連国連特別使節)でした(ICN Health and Human Rights Award)。会長のご貢献は、今さら申すまでもないのですが、関連の国際健康と人権連盟(The International Federation of Health and Human Rights Organisations)には、会長が、2001年来、WHOハンセン病制圧大使として、また、2007年からは、日本政府のハンセン病人権啓発大使として、この疾患のelimination(制圧)対策だけでなく、この疾患にかかわる差別と闘ってこられていること、そして2010年の国連総会本会議における「ハンセン病患者・回復者及びその家族に対する差別撤廃決議案」の加盟国の全会一致での採択に貢献されたこと、さらにその人道活動として、障がい者の生活(lives・・・一生)を向上させ、災害救援や復興への支援、さらにミャンマーの少数民族支援なども記載されています。
会長は、ハンセン病に関して、ブラジルとインドネシアで遭遇した看護師の貢献を引用して、看護の力を称える、素晴らしい受賞スピーチをなさいました。近いうちに、笹川陽平ブログに現れることを期待しましょう。

さて、ICN大会は、数千名は最低、万の桁の参加とうかがっていましたが、心配無用、開会式会場はかつてのオリンピック会場の一角、壮大なアリーナなのでしょうかPalau Sant Jordiと呼ばれる建物でした。主催者によれば、メンバー国/地域134から8,000人以上が登録しているとのことでしたが、その数をはるかに超えた参加者だと思いました。翌日の話では、12,000名以上だったとか、夕方からの式典でもありましたが、彼方の人々は、米粒とは申しませんが、大きめのお豆位の大きさでした。

メインゲストは、ヨルダンの現国王のご母堂であられるMuna al-Hussein妃でした。
笹川会長とにこやかに歓談された後、私にもご挨拶の機会が回りました。90年代半ば、ヨルダンでのJICAの地域保健/ジェンダープロジェクトにかかわった際、妃の義妹に当たられる前国王Hussein I世のお妹様Bassuma妃に拝謁の機会がありました。生まれて初めて、そして最後?の機会でしょうが、冷や汗をかきながら、“Your Royal Highness,・・・”と話しかけたことを思い出しました。

開会式は、オリンピックのように国名を書いたプラカードの後を、民族衣装のメンバーが続きました。日本は、もちろん坂本すが会長らの和服でした。ちょっとした観察ですが、南米系は、皆、フレアの入った華やかな民族衣装で、男女比1:3の感じに対して、アフリカ代表団は男性優位、そしていわゆる先進国は女性優位・・・の気がしました。

2015年、日本で初めて開催された(ハンセン病への偏見を解消するための)グローバル・アピールのカウンターパートとなって下さったICN Judith Shamian会長以下、副会長や、現地スペインの看護師協会長、保健大臣そして主賓のMuna al-Hussein妃らに交じって、懐かしいお顔を見つけました。アジア初のICN会長に選ばれた韓国のMo Im Kim博士です。今回、新たに、その名を冠した賞が創設され、台湾の看護研究者/教育者が受賞されました。Kim博士は、ジョンズ・ホプキンス公衆衛生大学院卒で、国会議員、保健大臣を経て、大韓赤十字看護大学(現中央大学看護学部)の学長として、前職日本赤十字九州国際看護大学初の姉妹提携先になって下さったのです。図らずも同じホテルだったので、翌朝、Shamian会長、次期会長のAnnett Kennedy氏、Kim先生らと朝食の場を共にできたこともありがたいことでした。

もう一つの用務は、ハンセン病関連、バルセロナから列車で3時間、バレンシアの郊外にある、この国の二つのハンセン病療養所の内のひとつFontillesを訪問しました。これはまた、追って。

受賞スピーチ

受賞スピーチ中の笹川会長、真ん中辺りから、壇上は、はるかかなた!!

檀上

壇上お三方

左端 Mo-Im Kim博士 右端 ヨルダンMuna al-Hussein妃 妃の左側 笹川会長