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看護師が社会を変える

私ども公益財団法人笹川記念保健協力財団が、親財団である日本財団の強大な協力を基に、高齢化がすすむ地域の保健医療サービスを支える「日本財団在宅看護センター」を企画運営できるように、看護師サンたちの経営者への変身を支援する研修事業を開始して3年経ちました。過日、この研修からみの公開講座の第4回を開催しました。

初日Part 1は、8カ月の研修を終えて、既に各地で開業している仲間の内から以下の5名が経過と現状を発表しました。

横浜市 株式会社日本財団在宅看護センター横浜 代表取締役社長
兵庫県豊岡市 一般社団法人ソーシャルデザインリガレッセ 代表理事
東茨城郡 一般社団法人ハーモニーナース 代表理事
岡山市 合同会社岡山在宅看護センター晴 代表社員
福岡県宗像市 一般社団法人ミモザ 代表理事

3年または2年前には、優しい、しかしオーソドックスでどちらかと云えば受け身の姿勢だったナース、その5人が、今や地域の保健医療体制の一角を担う経営者の、ちょっと厳し気な雰囲気を備えたナイスミディに、ものの見事に変身しています。同じ時期、共に学んだ仲間、そしてこの分野に関心を持つ数十名が、熱心に聴講下さいました。看護師諸氏が、社会を変えようとする姿勢を強く感じました。嬉しい限りです。

二日目のPart 2は、各地で365日24時間、地域の健康を支えておられる以下の4名の在宅医療の先達医師のお話しでした。

渡邉淳子先生(東京都葛飾区 医療法人 淳友会 わたクリニック 院長)
川越厚先生(東京都墨田区 医療法人社団パリアン クリニック川越 院長)
二ノ坂保喜先生(福岡県福岡市 医療法人にのさかクリニック 院長)
船戸崇史先生(岐阜県養老郡 医療法人社団崇仁会 船戸クリニック 院長)

期せずして、すべての先生方が述べられたことは、人々が生をまっとうする際へのかかわりは、科学的技術的かつ医学的技術のみならず、その人が如何に生きてこられたか、ある人の人生を総括できる対応であり、故にそれを可能ならしめ、人を丸ごと包み込むケアができる医療者が必要なこと、そして地域医療の中心は在宅看護師/訪問看護師だとのこと。深く心にしみわたるお話の数々、聴講者一同ともども、身が引き締まる思いでした。

走りながら考える、という言葉がありますが、社会の変化とそのニーズに応じるべく始めたこの事業は、走ってから考えたことも事実、その意味では、過去3年間の研修生1、2、3期生は事業の仲間であり、壮大なプロジェクトの同志でもあります。

Part 1で、にこやかに講演している裏には、涙の物語や失敗談もあったのでしょうが、それを乗り越え、社会を変えつつある新しい看護師の姿を、私は少しうっとりと、そして敬意を表しながら眺めました。

斯く斯様に申している間にも、世界の、そして日本の社会は激しい変化を求められています。伝統はまもりつつも、新たな挑戦が必要な時代です。ご関心の向きは、財団ホームページをお訪ね下さい。

 

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