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人口減少時代

先週、2015(平成27)年国勢調査の結果が発表されました。2月26日付けニューヨークタイムスも、イギリスのNHK的放送でもあるBBCも、1920(大正9)年の調査開始以来、初めてわが国の人口が減少したと報じています。いずれも、5年間に約a million=100万人減ったと、経済や産業と結び付けた解説ですが、斯くかように、日本の人口減少は世界的ニュースなのですね。

さて、速報値を見ますと、2015年10月1日時点、日本の総人口は1億2711万47人(外国人を含む。男:61,829,237、女:65,280,810)、10年前に比べ947,305人(0.7%)の減少です。大阪府など39道府県で人口減少、東京都(10年前に比し+2.7%)、埼玉、千葉、神奈川、愛知、滋賀、福岡、沖縄(+3%)の8県では増えています。も少し詳しく見ると、人口増加市町村は303(17.6%)、人口減は、1,416(82.4%)、ほとんどの地方自治体で減少です。東京都(1,351万)、埼玉、千葉、神奈川の合計約3,613万人は、日本人の28.4%、私も居住者ですが、日本人の3人に一人が首都圏に住んでいることになりますが、実際に増えたのは、東京都特別区部、政令指定都市とその周辺だけ・・・・全体として、日本は、自然減少(出生数-死亡数)、生まれる人より亡くなる人が多くなり、明らかに人口減少時代に突入したことになります。

過去10年に減少したという947,305人です。これを約95万人としますと、例えば、2015年10月時の地方自治体人口でみますと、千葉市968,443人 北九州市957,994や世田谷区の人口に匹敵しますが、そのような地域が10年でごっそり無人化する、あるいは人口48万程度の兵庫県西宮市、千葉県松戸市、岡山県倉敷市、大分県大分市、千葉県市川市、石川県金沢市といった自治体ふたつが丸ごと無くなる、あるいは95万の1/3にあたる30万強程度都市である、大阪府高槻市、埼玉県の川越市や所沢市、滋賀県大津市、東京都の北区と新宿区、北海道旭川市、高知県高知市、群馬県前橋市、福島県郡山市といった地域が三つ消える・・・と思うと、恐ろしいことです。

しかも、65歳以上実数は16,030,122名、内90歳以上がその10%強の1,752,447名、100歳以上は60,384名です。65歳以上人口は、昨年5月のこどもの日に発表された15歳未満の人口1,617万人と匹敵します。

近頃の超高齢化社会では、還暦(60歳)など幼稚園年齢でしょうか。私が子どもだった70年前なら、男女を問わず、村のお年寄りの還暦(60)、古希(70)、喜寿(77)でもお祝いごとでしたし、傘寿(80)、米寿(88)はホンの時折、卒寿(90)や白寿(99)さらに紀寿(100)は滅多に、滅多にない、本当に地域の一大行事で、子どもにも応分のおこぼれがあったものでした。

ところで保健医療経費を見ますと、高齢化に伴い、がんや脳神経/循環器系疾患といった生活習慣病だけが増えていることもありますが、特定の病気でなくとも、日々健康水準が低下しつつある高齢者が消費する保健医療費そして介護費が大きいことは理解できますが、子どもの医療費との差に愕然とします。別添は、第4回子どもの医療制度の在り方等に関する検討会の資料ですが、一桁違います。

100歳とは申しませんが、90、80にも至らずに、また、不慮の事故や災害で若くして生を終えることもあります。が、生まれてこない人間はいません。その意味では、高齢者への配慮をしなくてよいとは申しませんが、子ども、乳幼児、そして妊娠育児の時期にある女性(とそのパートナー)への支援を増やすこと、必ずしも財政上の話でなく、病児保育、幼児を持っているカップルが柔軟に対応できるような体制を作ることこそ、外国から人口が減った!!と云って頂く事態を避けること、つまり人口増につながるのではないかと、ちょっとため息とともに思いました。

16-02-29 医療費