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口腔ケア

財団ホームページに『「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業受講者募集』のお知らせがアップされているのをご覧下さったでしょうか?
日本は、人類史上初の高齢社会にさしかかって・・との表現を見ない日はないほどになりました。まるで、年寄りばかりで日本社会がどうにかなりそうにも聞こえかねませんが、実際、人口動態的には紛れもなくそのようであり、また、地域毎に異なるもののさまざま高齢社会問題が存在することも事実です。しかし、本当の問題は、年寄りが増えたことではなく、対応策が整っていないこと、それに子ども、特に生まれてくる赤ん坊が少なすぎることでもありましょう。多くの西洋諸国は、世紀をかけて徐々に高齢化しつつあるのにたいして、日本はわずか24年間にそうなったため、問題が顕わなのだと、高齢者のひとりである私は思っています。
先々週末、「口腔緩和ケア(緩和口腔ケア)」の第3回研修会を開催させていただきました。詳細は、別にアップしますが、在宅、施設を問わず、また、認知症であるか、その他の意識障害であるかを問わず、長期間療養の際、口腔ケアによって、経口摂取が可能になる方が多いだけでなく、発声がスムーズになり、おしゃべりが出来るようになり、そうすれば当然ですが、表情が変化し、治療への意欲や生きる姿勢が異なってくるのです。一般に、病気の治療といいますと、手術や点滴や投薬を思う人は多いのですが、口腔ケアで病状が変化する、改善する事実-evidence―が如実に示されました。
しかし、口腔ケア?じゃ、私も、との意気込みはあっても、本格的口腔ケアは容易ではありません。そこはプロの知識と手技、そして根気と手間と継続性が必要です。
最初に記載した『「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業』では、看護師による一定地域における24時間、365日のケアが可能であるような、一定規模の看護センターを運営できる、いわば経営者を養成するプログラムです。その中には、当然、口腔ケアの実践、そしてご家族への指導の在り方も含まれる予定です。
これから、時折、何故、在宅看護なのかについての私の篤い想いを記して参りますので、ご高覧下さい。