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117位から考える――女性首相が生まれた日本

一昨日、9月16日、世界経済フォーラム(WEF)の『Global Gender Gap Report 2026』(以下WEF報告 https://www.weforum.org/publications/global-gender-gap-report-2026/)が発表されました。今年は、この調査が始まって20年という節目にあたるそうです。が、まぁ、どれがどんな意味があるの?と云われれば、それもそうですね・・・

さて、世界145か国を①経済参加と機会、②教育、③健康、④政治参加という4分野で比較し算出されるのがジェンダー・ギャップ指数です。世界全体では男女格差の69.2%が解消されていますが、今のままの速度で完全な男女平等が達成されるまでには、何と、あと120年かかるそうです。

ハイ、今年の日本、昨年、初の女性首相が誕生したことで、絶対、変わると期待していましたが、全145か国中117位・・・ウ~ム、相変わらず、かなり低いですね。

しかし、その中身を見ると少し・・・かなり不思議です。日本の「教育」のジェンダー・ギャップは99.4%まで解消されたとされています。識字率と初等教育に男女差はなく、高等教育でも97.4%、つまり、女性は男性とほぼ同じように教育を受けている、それなのに、デス!社会に出ると景色が変わるのです。

「経済参加と機会」は60.9%。そして、最大のギャップ、遅れが「政治参加」、格差の解消率はわずか10.5%に過ぎません。女性が十分教育を受けているのに、なぜ日本社会はその女性の力を十分に生かせないのか・・・ですね。

そんな日本でしたが、昨年は大きな出来事がありました。憲政史上初めて、高市早苗氏が女性の内閣総理大臣になられました。今回のWEF報告も、このことが日本の政治参加指標を改善させた歴史的変化として明記されています。素直に、私は、このことを喜んでいます。が、もちろん、一人の女性が首相になったことが日本の男女格差を解消したわけではありません。女性首相の誕生そのものと、その政権の政策への評価とは、当然、別の問題です。重要なことは、「女性でも首相になれる」という事実が、やがてはニュースにならなくなる社会が来るでしょう。
仕事中毒的な首相の、少し、お疲れ気味の様子をTVで拝見しますと、1か月に1、2回、しっかり朝寝坊なさる日があればよいのに・・・と格調の低いことを思ったりしますが、昨日の第二次高市内閣の誕生の後、いささかの御休息時間をお持ちいただきたいものです。

実は、私は、明日から「日本財団在宅看護センターネットワーク」の仲間とオランダを訪ねます。

ひょんなご縁で存じ上げた吉良森子先生が関与されている『クロ―スターブールン』という集落の街おこし活動と『ケア』の絡みを研修に参ります。追って報告致しますが、オランダは、私たちが学ぶことの多い国です。それもいずれ・・・

そのオランダですが、今回のWEFランキングでは、オランダも前年の43位から46位に下がっています。教育と健康では男女格差がほぼなくても、女性の上級管理職進出などには、なお課題があるそうです。

日本の117位とオランダの46位。
数字だけを比べれば大きな違いです。が、「教育を受けた女性の力が、そのまま社会の意思決定時の参加につながっていない」という点で、どこか共通するものがありそうです。

オランダは、早くに安楽死を認可したことでも知られていますし、オランダの「地域ケア・ご近所ケア」の代表格ビュートゾルフ、そして数年来の「ポジティブヘルス」なども勉強してまいります。世界は神が創ったが、オランダはオランダ人が造ったとされるほど、国土創出に知恵を絞らねばならなかったこの国の、社会のあり方の根底には、普遍的な人類へ対応・・・人を年齢や性別その他の属性だけで見ないという考えがあると思ってきました。ジェンダー・ギャップもそれの一環でしょうか?

「ケアからはじまるコニュニティ」吉良森子著

女性を「支援される側」として見るだけではなく、その人の持つ力を社会がどう生かすか、などリベラルな考えも感じて参りたいと思っています。

さてさて、日本のWEFの117位と、46位のオランダ・・・不足しているものが何か考えるための数字ではないでしょうか?そしてほとんど山がない平坦なオランダから、山が8割の国、日本を眺め直してみたいと思います。

「安楽死を選ぶ」シャボットあかね著