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どこで死ぬか?=アメリカの死の場所の変遷=

新年早々、死は禁句でしょうか?でも、地球上では、時々刻々、ヒトが生まれ、そして死んでゆきます。数年前の情報ですが、地球上では、年間5,500万人が亡くなり、2.4秒に一人が生まれているというのがありました。恐らく、現在は、年間死者数は増え、出生は減少気味でしょうか?

さて、超高齢社会となったわが国では、日常、沢山の死が発生しています。それはどこで起こっているのかといえば・・・皆様のお身内や親しい方の最後は如何だったでしょうか?

図は、平成26(2014)年版厚生労働白書からです。グラフ最下段のピンクが実際に死ぬ場所で病院が80.3%と圧倒的に対し、うすい水色の自宅は12.6%にすぎません。が、グラフの一番上、死を迎えたい場所は自宅が49.5%、病院は17.9%です。つまり自宅で死にたいと思っていても、実際には医療施設で亡くなることが圧倒的に多い、という現実があります。

では外国はどうでしょうか?

良く知られていますが、オランダやスウェーデンでは、30%程度が自宅で死を迎えています。ただ、それは十分な在宅療養への支援体制があるからと断言する以前に、長い習慣があることも忘れてはならないと思います。日本も、私が子どもだった大昔は、ほとんど自宅死でした。それは病院が遠くて通院が大変だった以上に、死ぬ時は家で死なせる!が、地域の了解事項でした。ですから、特にお年寄りが入院先で亡くなったりすると、何故、畳の上で最期を迎えさせてやらなかったのか!可哀そうに・・・と家族が非難される感もありました。

さて、ちら読みの中で、アメリカの死を迎える場所の変遷を調べた報告の概要を見つけました。2003年から2017年にわたって、CDC(米国疾病管理予防センター)と国立衛生統計センターのデータを分析したものです。粗訳を添付していますが、この15年間に殺人など外因を除いた自然死が約3,520万人あり、その内、29.3%が心血管疾患、24.5%が悪性腫瘍、呼吸器疾患が10.5%、認知症が7.9%、脳卒中が5.9%でした。2003年には、39.7%が病院で亡くなったに対し、2017年には29.8%と10ポイントも減っています。

一方、在宅死は、2003年の23.8%から、17年の30.7%に増えています。その他、介護施設は微減に対し、ホスピス死がかなり増えています。

このような経過をあれこれ論評しても仕方ないのですが、わが国の現状を鑑みると、もう少し在宅死が増えても良いのではないかと思います。で、手前味噌ですが、笹川保健財団が2014年に始めた「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業の修了生たちによって実際に稼働している在宅/訪問看護センターは、本日現在55人、施設数は60カ所を超えています。そして、それぞれのところでは、EOL(End of Life、終末期)ケアと看取りも行われていますので、住民の在宅死という希望を満たしつつあると思っています。

米国における死の場所の変化 日本語