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【プレスリリース】「みらい塾」九州スタディツアー開講―日本近代医学発祥の地・長崎で「健康と人間の安全保障」を考える―

 笹川保健財団は、「すべての人が自分らしく、よりよく生きてゆける世界」を目指し、保健・医療の現場でグローバルに活躍できる人材育成を目的に、国内外における研修、セミナー等を実施しています。
 今年度より新たに、日本のみならず世界の未来の健康問題を考え、対処できる人材育成を目標とした『みらい塾』を開講します。初年度の2023年は、長崎を拠点に、わが国の医学とその教育、保健衛生改善の歴史を学ぶとともに、工業化に伴う負の経験やなお残る課題、将来に向けた懸念も考えるセミナーを実施します。

 長崎は、日本の近代医学発祥の地であり、国際的な情報や知識の交流地でもありました。また、古くから感染症の入り口としても知られており、天然痘やコレラ、インフルエンザなどが広まった地でもありました。九州地域には沖縄を含めて、原爆被災地や外国軍の侵攻地(Complex Emergency)の跡、水俣病やカネミ油症などの産業化に伴う環境問題、さらに地震や火山、豪雨水害などの自然災害も多く起こります。そのため、保健医療に関する話題が豊富です。さらに、隠れキリシタンやハンセン病療養所などの歴史的な出来事から、差別や迫害との闘いの歴史も存在します。近年では、台湾や朝鮮半島などの国境問題が身近に感じられることもあります。
 「みらい塾」の副題は、「健康と人間の安全保障」(Health & Human Security)です。このスタディツアーでは、医学や保健の歴史を中心に学びながら、保健、衛生、安全に関する理解を深める機会を提供し、若者たちが自ら問題に気づき、どのような行動を取るべきかを考える機会を作りたいと考えています。