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新型コロナウイルスの変異「株」

各地で新型コロナウイルス感染に対する予防接種が進行しています。出遅れ感は否めませんが、それでも一気に接種がひろがりそうで、ちょっと、ホッとします。

私は、医療職として働いていませんので、居住地の住民・・・第一次高齢者の次のグループとして申請致しました。第1回目が6月14日来週月曜日です。ちょっと遅すぎる?止むを得ずの外出が多いのでstay homeは全うできていませんが、マスク、手洗い、然るべき場での距離はきちんと以上に徹底しています。お蔭様で、加齢以外、何も、どこも異常はありませんが、週末はこころして体調を整え、イザ、接種日に備えます。大げさな!!!

さて、予防接種の材料をワクチンと申しますが、使えるワクチンの種類も量も増えてまいりました。以前にも書きましたが、かつては、特に子どもの予防接種では、世界のトップクラスだったわが国なのに、そして新型コロナが広がって1年半にもなるのに、まだ、自前のワクチンがない・・・それは残念です。多分、然るべきところでは、日に夜をついで、国産ワクチンの製造を検討されている方々がおいでだと思いますが、日本製新型コロナワクチン接種第一号は、何時、何処で、何方に?

そんなこんな中で、変異「株」が増えています。ほんの一部が変わっただけで、感染力や重症化力が強くなるという困った事態を引き起こします。ウイルスはウイルスで、人間を全滅させることではなく、自分たちが何とかはびこって生き続けることを求めていますから、どこかで折り合いをつけねばなりません。それが、やがてありふれたインフルエンザ様になるということでしょう。しかし、その状態になるまでに、まだ、どれ位の時間を要するか、そしてどれ位の犠牲が出るのか・・・

この変異「株」が問題になりだしたのは、昨年12月、英国のボリス・ジョンソン首相が、感染力が70%も強いvariant(変異株)が広がっていると注意を呼びかけた頃からでした。そして、何と早い!と思いましたが、本年1月中旬には、静岡県で、最初の変異株が検出されました。そして、報道に変異「株」や変異種の文字が出始めました。変異株って何?の上に、変異種とか亜種という文字もありました。1月末には、日本感染症学会が、変異「株」の注意を広報しています。

それによりますと、突然変異は全ての「生物」における遺伝子の複製過程で発生する、一部の読み違えや組み換えによる遺伝子情報の一部変化現象で、その中で、新しい性質を持った子孫が生まれることがあり、その新しい性質を持った子孫が変異「株」と呼ばれます。変異株は、一部の遺伝子情報が変化していますので、一部の性質は変化しますが、もともとの生物としての種類は変化しません。同じウイルスの複製の変異に過ぎないので、ウイルスの種類は変わらないので、変異「種」ではない・・・ただし、極まれに、近い種類の生物間で、多数の遺伝子の交換(組み換え)が起きると、二種の生物種の特徴を併せ持つ新しい生物種が生まれることがあり、これは変異「種」である・・・ウイルスならば、新しい種類のウイルスが生まれる・・・と説明されています。国民の正しい科学リテラシー(科学的情報を適切に理解解釈分析し、さらに記述表現出来る力)を向上させるためとありますが、その通りですね。

いずれにせよ、ウイルスは厄介な微生物です。単純な構造だからでしょうが、変化〈ヘンゲ〉がお得意、遺伝・複製過程で、簡単に突然変異し、変異株が出てきます。それらは、必ず、他の変異株と区別できる1つ以上の特徴をもっています。現在の、元祖新型コロナウイルスSARS-CoV-2には、見つかった国の名前で、イギリス、南アフリカ、ブラジル、インド型などとよばれていました。

が、ご承知のように、欧米でのアジア人種への差別偏見の所為もあったかと思いますが、先般の第74回世界保健総会(通称WHO総会)で、WHOは、新型コロナウイルスSARS-CoV-2の変異株には、国名はつけないで、「発音しやすく、特定の人々の印象を悪くしない」名称を提案するよう、専門家に要請しました。そして、協議の結果、ギリシャ文字のアルファベットを使用することが提案されました。ただし、沢山ある変異株のすべてを改名するのではなく、特に感染力や病毒性が強く、ワクチンや治療薬が効かない恐れがあるとされる「懸念される変異株(Variants of Concern : VOC)」とよばれる4種に対して新名称を適用することが合意されました。

元イギリスがアルファ(α)、南アフリカ型がベータ(β)、ブラジルがガンマ(γ)、インド型は最初に認められた変異株とさらに亜型があり、最初がデルタ(δ)で、もひとつはカッパ(κ)です・・・やこしいですね。

その他のギリシャ文字・・・イプシロン、ゼ―タ―、イーター、シーター、イオタ・・・大学教養時代のギリシャ語を思い出します。

有難いことに、現在、流通しているmRNAワクチンを2回接種すると、91%の人は免疫を獲得すると、アメリカCDC(Centers for Disease Control and Prevention 疾病予防対策センター)の新しい報告にあります。

皆さまも、機会があれば、出来るだけ早く、予防接種を受けられますように。