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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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デモクラシー 民主主義

先週、「民主主義の根幹害した」 河井元法相、懲役3年の地裁判決という記事を読みました。また、半年程前には、デモクラシーが国是ともいえるアメリカで、現職大統領が扇動した暴動・・・「トランプ支持者が議事堂に侵入し暴動。4人が死亡し52人が逮捕される」もありました。

民主主義 デモクラシー(democracy)を一言で述べられるほどの知識はありませんが、組織の重要事項の決定に、その組織を構成するもの(国民、地域住民、社員や学生も)がかかわる権利があること、つまり、ある組織を構成する人々が最終的に決定する権利を持っている制度、あり方と理解しています。高校時代、歴史が好きで、医学部に行くか、史学部に行こうかと迷ったのです。ギリシャ・ローマ史など、物語として熱中しましたが、その際、多くの学術語がギリシャ語に根があることを知りました。で、デモクラシーも、ギリシャ語の人民を意味するdemosと、権力を意味するkratiaがくっ付いて出来た言葉と理解しました。が、当時、ギリシャの貴族政治や君主政治に比し、人民が権力を持つ・・・多数者が権力を握って政治や社会を動かすことは、愚民政治とか暴民支配と理解されており、どちらかと云えば、良くない形として忌避されていたのだそうです。民主主義 democracyが、社会の多数者の意向により実践される好ましい政治の形となったのは近代・・・わが国においては、第二次世界大戦後のような気がします。そして、民主主義がきちんと機能するためには、責任と義務を果たす覚悟をもった大衆・・・国民・・・私たちが必要です。

1週間前のニュースは、もう古いのかもしれませんが、法務大臣が、法にもとることをやってしまう・・・ウ~ン!この国、どうなっているのだろうか、と思いませんか。

国民が、国のきまりをまもる、また、違反した際の対処を決める最高の役割が法務大臣と考えていますが、忖度とか、諸々、私には理解できないウラ事情があるにせよ、大学を卒業し、アメリカで勉強されたような国の指導層を目指される方々が、民主主義や日本の選挙制度だけでなく、法治国家で、何をしてはいけないか・・・のご理解がないということはあり得ないでしょう。が、就任旬日にして辞職され、その後、政界引退も表明されているのですから、巷の私が批判することではありませんが、選良とか、法務大臣とかという言葉が、とても軽く、むなしく感じられたことは事実です。

アメリカ合衆国は文字通り、ある種自立性をもつ州が集合してなり立っている国です。15世紀末、スペイン国王の要請を受け、現在のカリブ海沿岸付近を探検し、「新大陸」の名称に名をとどめているイタリアの探検家、地理学者アメリゴ・ヴェスプッチ(1454.3.9‐1512.2.22)や、誰でも知っているクリストファー・コロンブス(1451?‐1506.5.20、ジェノバ出身)らによって、最初、アジアの一部と勘違いされた北米大陸は、やがて、「旧世界」のヨーロッパ諸国が黄金を求め、原住民を蹂躙し、虐殺し、勝手気ままに植民地化していった・・・のです。そして、最終的には、1775年、多くの支配地をもっていたイギリスと13の植民地間で、経済、特に租税制をめぐる対立が生じ、いわゆる独立戦争が発生します。翌年1776年7月4日には独立宣言が発表され、1783年のパリ条約を経て、最初の13州とイギリスから割譲されたミシシッピ川以東、五大湖以南を加えた「アメリカ合衆国」が独立します。そして1787年9月17日に、正式な中央集権的アメリカ合衆国憲法が制定されます。初代大統領の就任は、1789年、独立戦争の司令官ジョージ・ワシントンです。アメリカは、「自由」と「民主主義」を謳って出来た国です。女性参政権は1920年でしたが、アフリカ系の人々への公民権が法によって保障されたのは1964年、私が医学生の頃でしたから、それほど古くはないのです。

そして、数日前、バイデン大統領が、アメリカの奴隷制の終焉を、毎年、祝ってきたジューンティーンスという記念日を正式に国の休日にするという大統領令にサインされたとの記事もありました。この新しい休日“Juneteenth(ジューンティーンス)”は、英語の6月=Juneと19日=nineteenthをくっつけたそうですが、また、「自由の日(Freedom Day)」とか「歓喜の日(Jubilee Day)」とか「解放の日(Liberation Day)」とも呼ばれています。歴史は、かのエイブラハム・リンカーン大統領の奴隷解放宣言に由来するのだそうです。つまり、リンカーン大統領の奴隷解放宣言後も、なかなか奴隷解放に踏み切らなかったテキサス州で、やっと宣言が認知されるようになった1865年の6月19日がルーツだそうです。まぁ、160年も前の話を、今、国の祝日にする、しなければならない状況がかの国にはあるのです。新型コロナの流行以降、アメリカではアジア系の人々への差別偏見が広がっていましたね。

斯く斯様に、理念と実際の乖離は著しく、私のアメリカ人の知人たちは、頭でっかち・・・でも理想を実現するのが国民の役目と申しています。

その第45代大統領が、選挙の結果を受け入れず支援者の国会乱入をソソノカシタ・・・というのが1月6日のワシントン暴動でした。先の知人は、悲しい、情けない・・・と申していました。

でも、この国かの国、国を作っているのは私ども国民です。一人一人の力は小さいのですが、不正を働いた人は二度と選ばない!と、国民がきっぱり決断すれば、何が起こるかです。

何となく、流れに任せてきた結果が今の状態なら、私どもが、きちんと考えることで、変化は起こる、起こせると思いたいです・・・