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またまたコロナの話

2021年11月27日、世界保健機関(WHO)が、新たに同定されたコロナウイルス変異体は「懸念される(変異株)」とし、その名称を「オミクロン」と命名しました。

この新しい変異株「オミクロン株」は、最初、2021年11月11日に、南アの隣国ボツワナで採取された検体から見つかり、その3日後、南アフリカで採取された検体からも見つかったのですが、厄介なことは、その後、南アフリカでも、最も人口が多いヨハネスブルグを州都とするハウテン州あたりに最大多数の感染者が局在していることでした。実際、11月中旬、この地区での検査陽性だった77人のすべてが「オミクロン株」、そして11月26日の南ア政府の発表では、同国全体の1日当たりの新規検査陽性数2,828件中、実に77%(2,174件)がハウテン州だと発表しています。

困ったことに、この新変異株コロナウイルス「オミクロン株」は、多数の変異点をもち、つまり1個のウイルスに沢山の変性部分があるということですが、今まで流行した元祖新型コロナとその変異株(アルファ、ベータ、デルタ、ガンマ)よりは再感染リスクが高そうだということです。

南ア・・・といえば、27年もの長期間の収監時代も通じて、アパルトヘイトを戦い抜き、後に同国大統領となられたネルソン・マンデラ氏の青年時代のお住まいがあるスウェト・・・ある種のスラムもヨハネスブルグ郊外にあります。20数年前、何度か南アにまいりましたが、この地帯の人出というか、人の密集度は半端ではありませんでしたので、これは大変!だと思います。さらに、近年、発展に伴い、周辺地からの人口流入もあって、ヨハネスブルグは南ア国最大の都市、アフリカ第一の大都市になっているとか、2019年の人口は約563万人、近郊を含む都市圏なら1,000万人ですから、日本の東京付近的です。そして、歴史的にも、人種や言語が複雑です。そんな中で感染症が広がった際の対応は相当難しいのではないかと、昔を思い出して危惧しています。

そして、またまた厄介なことですが、わずか1週間もたたないうちに、最初に見つかった南アの隣国ボツワナを含め、ヨーロッパのベルギー、アジアの香港、中東のイスラエルそして英国でも11月27日にアフリカ南部に渡航した2人から感染が確認されました。

本当に、ウイルスたちは、パスポートも獲得せず、飛行機代も払わず、移動する人々にただ乗りして世界中に出かけます。困ったやつらです。そして、それが故に早くも、多数の国では、アフリカ南部、例えば、英国は、南アフリカだけでなくアフリカ南部の国々との移動を禁じ始めました。例として、英国またはアイルランドの国民あるいは英国居住者以外の人は、南アフリカ、ボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、レソト、エスワティニから入国することを禁止しています。アメリカは、11月29日から、南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイからの飛行を中止とし、シンガポール、マレーシア、ブラジルとオーストラリアも渡航制限を導入しました。そして、これらに対し、南アは、厳しい制限は不当だと反発しています。しかし、バイデン大統領は、渡航制限は「(オミクロン株について)更なる情報が得られるまでの予防的措置だ」と説明しましたが、その後、制限は確定しました。

わが国でも、この新しい「オミクロン株」の水際強化策が取り始められました、29日夕刻、岸田首相は、30日から、原則として外国人の入国禁止を発表しました。

WHOの最初の発表は、「B.1.1.529」と名付けた新型コロナウイルス亜種として、南アのほぼすべての州で増加しており、「このウイルスには多数の変異(個所)があって、その中に懸念すべき点があり、オミクロンOmicronと命名する」でした。新型コロナの最初に比べれば、検出されて数日内の声明ですから、行動は素早かったのですが、変異ウイルスの拡がりはそれより早かったとも申せます。26日には、南アからオランダ・アムステルダムに到着した航空機2便の乗客約600名の内、何と61名に新型コロナ感染が確認されています。もっとも、新たな変異株オミクロンかどうかは目下調査中と発表されていましたし、ドイツとチェコにも疑い例が出ているとか・・・今回は、世界中が迅速に行動していますが、やっと動き始めた経済が・・・との声も出るでしょうが、ウイルスとの闘いははてがありません。

ここで「懸念あるウイルス変異株(coronavirus variant of concern)」と「注目すべきウイルス変異株(coronavirus variant of interest)」について説明します。世界的な感染症対策の本拠であるアメリカCDC(疾病予防管理センター)によりますと、

懸念あるウイルス変異株 VOC(variant of concern)とは、感染性が増大し、より重篤な病態(例:入院数や死亡数の増加)、過去の感染やワクチン接種で獲得した抗体(=抵抗力)のウイルス中和力の著しい低下、治療やワクチンの効果の低下、診断時に検出できない、などの証拠がある変異体で、差し当たって心配すべき変異株です。

Variant of Concern: A variant for which there is evidence of an increase in more severe disease⋖(eg increased hospitalizations or deaths), significant reduction in neutralization by antibodies generated during previous infection or vaccination, reduced effectiveness of treatments or vaccines, or diagnostic detection failures. 

注目すべきウイルス変異株VOI(variant of interest)とは、受容体〈生体の細胞で、ウイルスが最初にくっ付くところ〉への結合力の変化、過去の感染やワクチン接種で獲得した抗体による中和力の低下、治療効果の低下、診断への影響の可能性または感染性や病気の重症度の増加の予測と関連する特定の遺伝子マーカーを持つ変異体です。

Variant of Interest :A variant with specific genetic markers that have been associated with changes to receptor binding, reduced neutralization by antibodies generated against previous infection or vaccination, reduced efficacy of treatments, potential diagnostic impact, or predicted increase in transmissibility or disease severity.

WHOによりますと、2021年11月26日現在、「懸念ある、つまり差し当たって心配しなければならない変異株VOC」には、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタにオミクロンが加わり5種が、「注目すべき変異株VOI」には、ラムダ、ミューの2種としています。

といっても、日常生活上、私どもには、懸念ある変異株用マスクがある訳でも、特別の手洗い方法があるわけでもなく、2019年12月に発生した元祖新型コロナウイルス対策とやることは同じです。すなわち、鼻やほっぺたに隙間が無いようにきちんとマスクを装着し、人の集まるところでは、対人距離をしっかりとまもり、帰宅時や学校、事務所到着時はきちんと手洗いをすることに尽きます。

第5波が急激にしぼみ、やっとコロナメが鎮まりかけたかと思いきや、オミクロンの出現!!そして、ウイルス君の好きな寒気と低湿度の冬場に向かいます、皆さま、新型コロナ感染症に罹らないため・・・つまりウイルスを貰わないためには、お互いにウイルスを抱えないことです。しっかり予防をお願いします。