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ウクライナ その4 戦争を始めたけれど

「私たちはここにいる、独立を守る」 首都からウクライナ大統領が政府幹部と

「安全な場所はもうどこにもない」 BBCウクライナ語編集長が侵攻初日を振り返る

戦争を終わらせるには、複雑で、厄介で、禍々しい交渉を延々と要するのに、21世紀の現在でも、たった一人が、たった一声上げれば、攻撃が始まるという事実に愕然としました。

とうとう、ウクライナは戦場となってしまいました。

まばらに雪が残る大平原を、ロシアの戦車が列をなして疾走し、古めかしい建物で爆弾がさく裂し、火炎黒煙をあげる報道に言葉にならない憤りと失望感ともどかしさ、そして無力感を覚えました。

目下、ロシアの攻撃の目標になっているウクライナの首都キエフ。

2017年3月、31年目のチェルノブイリの現場を訪問しました。その時、街の一角にある壮大な内分泌・代謝研究所(The Institute of Endocrinology and Metabolism in Kiev)のトロンコ所長を表敬しました。壮大な建物ですが、造りや調度品は、見るからに古臭く、残念ながら、それほど活発な印象は受けませんでした。が、1990年代を通じて支援してきたこともあって、所長他、言葉は片言の単語英語でしたが、皆さま、温かく接して下さいました。そして感動したのは、かつて機器を支援した関連研究所の現場。

30年前の日本の検査機器が、ほとんど新品かと見まがうばかりに丁寧に使われていたのです。あまりのことに思わず感動を漏らした私を、技師たちが次々に抱きしめて感謝を述べられました。そして恥ずかし気に、柱の陰から見ていた子どもたち。通訳して下さったイリーナさん・・・皆さま、ご無事でありますように・・・イリーナさんは、キエフ在住、日本語が堪能でしたが、今朝ほど、ウクライナ西部の田舎に「疎開」されたことが、判りました。疎開・・・などという死語を、また、使わねばならないとは、何たることでしょうか?

アメリカは、なぜ、何もしない?との声もあります。が、国際関係上、軍事的同盟国でないから介入はできないし、EUもウクライナがNATOではないので軍事介入はできません。してはいけないとも思います。が、「誰も、一緒に戦ってくれる人はいないようだ・・・」とのゼレンスキー大統領の言葉は、本当に悲壮です。

第二次世界大戦末期、わが国には人類初の、そして現在までは最後の原爆が投下されました。一方、平和活用ではあったのですが、1986年に、まだソビエト連邦であった頃のウクライナで、チェルノブイリ原発事故が発生、2011年の東北大震災では、東京電力福島第一原発で想像を絶する事態が発生ました。そのどちらも、まだ、収まってはいないのに、プーチン大統領は原爆保有をちらつかせて隣国やそのウクライナ支援する外国を恫喝しています。

兵力による国家間の闘争が戦争です。そして戦争をする権利は、わが国同様に、憲法でそれを放棄しない限り、国際的には、権利が保障されています。つまり、それぞれの国が持っている権利を行使して戦争が始まりますが、そのきっかけは、大抵、いかがわしくもあります。今回も、また、自作自演で攻撃や拡大の理由づくりをしていると、アメリカ大統領報道官サキ氏が厳しく「核保有や脅威の偽装」を批判されていました。また、原爆を持っているゾーと脅す・・・何か、時代錯誤を感じましたが、どれも権力者が命じると始まってしまうのが戦争なのです。

一方、世界の各地では、ウクライナの人々と連帯する声や活動は高まっています。実は、私たちの仲間「日本財団在宅看護センター」起業家たちの中からも、何が出来るか?何をすれば良いか?との問い合わせや提案が寄せられています。まず、ウクライナの人々への連帯表明と、支援金集めでしょうか?

政治のレベルでは「G7外相、ウクライナ外相に『連帯』伝達」もありました。が、喧嘩を売った人には、言葉だけでは、あまり効果がないような気もします。そこで「国際的決済網“SWIFT”からロシアの銀行締め出す制裁へ 米・欧」は、効果ある制裁のように思います。難しいメカニズムは判りませんが、今日、どの国も、経済活動を止められてしまえば、爆撃ではなくとも、国家間の戦いに負けるのではないでしょうか?

SWIFT排除をはじめとした経済制裁という効果的なソフト爆弾に期待したいと思います。そして、その戦争の開始を止めるものも、より大きな武力ではなく、侵略側の人々をも含む、あらゆる国民の戦争反対!!の声、意思の連帯かもしれないと、ちょっと胸がいっぱいになりました。

戦争防止の新しい時代の始まりでしょうか?