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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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豪雨の後の断水・・・水の話

先般来、日本とアメリカで、豪雨後の断水が報じられています。
日本では、静岡県一帯に例のない豪雨をもたらした「台風15号」後の断水、アメリカは、壊滅的被害が生じると恐れられた「ハリケーンイアン」後の断水です。

台風15号は、2022年9月23日午前に、四国の南で台風となったものの、それほど大型ではなく、その10日ほど前に長く沖縄付近に停滞した頃から、「経験したこともないような暴風、高波、高潮、記録的な大雨のおそれ」があると警告された14号対策への熱意に比し、それほど危機感はなかったような気がします。が、その15号、9月23日の夜半から翌朝にかけて、記録的大雨をもたらしました、報道によりますと、静岡県の11の市や町(静岡、島田、焼津、藤枝、牧之原、浜松、磐田、掛川各市と吉田、森、川根本町)では、短時間のうちに、記録的短時間大雨情報が計32回も発出されたそうです。新幹線は予防的運転取りやめでしたが、従来線や私鉄では、線路の路盤崩落や土砂流入、また、道路では倒木や土砂流入、そして河川の取水口への流木や土砂堆積による大規模な断水が、さらに山崩れによる送電線の柱倒壊による停電が12万軒を越えたそうです。市町村への災害救助法発令、そして自衛隊の災害派遣・・・お馴染みですが、こんなことに慣れすぎるのはいけませんね。

そして、たかが雨、されど雨・・・大雨、豪雨に加えて、最近では、線状降水帯(次々と発生する発達した雨雲〈積乱雲〉が列をなす組織化した積乱雲群が数時間にわたり、ほぼ同一場所を通過または停滞することによって作り出される線状に伸びる長さ50~300キロメートル、幅20~50キロメートル程度の強い降水をともなう雨域 気象庁)も馴染みになりました。何故、今までなかったこんな現象が生じるのでしょうか?です。で、静岡では、原因の台風15号が去った1週間以上も後の9月30日でも、まだ、3万戸を超える住居で断水しているとのことでした。

一方のアメリカ、フロリダ半島に近いカリブ海では、約20年前から、毎年のように大型ハリケーンが発生しています。有名なハリケーン「カトリーナ」がニューオーリンズを席巻した2005年は当たり年で、史上第7位の「カトリーナ」の他史上最強「ウィルマ」、史上4位の「リタ」、の10位以内の内の三つが発生しています。今回の「イアン」は、現地時間2022年9月28日午後3時頃に、米フロリダ州に上陸しましたが、早くに“壊滅的被害のおそれ”をもたらすと警告されていましたし、先に上陸したキューバでも全土停電をおこしていましたが、フロリダでも最大風速67メートル、凄まじい勢力がTVで放映されていました、そして停電、道路冠水、住宅浸水・・・州知事が非常事態を宣言し市民に避難を呼びかけました。フロリダ州発着の航空便の多くが欠航、州内多数学校が休校、そしてディズニーワールドも28、29日は閉園と発表されました。結局、死者は最低77名と報じられています。

台風・・ハリケーンの災害は風によるのか雨によるのか、災害救援にたずさわっていた頃、色々議論した記憶がありますが、最近の被災は、雨、つまり水による被災が多いように思います。

DRAINING:THE ECONOMIC IMPACT OF AMERICA’S HIDDEN WATER CRISIS(DIGDEEP)

たかが水、されど水です。
最近、“DIGDEEP”というアメリカのNPOの興味深い報告を目にしました。直訳すれば「深く掘れ」ですから、水関係のNPOだなとは思いました。が、“We’re a human rights nonprofit serving the 2.2 million+ Americans without the sinks, bathtubs or toilets that the rest of us take for granted.(私たちは、私たちが当たり前のように使っている洗面やお風呂、トイレを持っていない220万人以上のアメリカ人のために活動する人権NPO・・・)”とあります。エッ、アメリカで顔を洗ったり、お風呂に入ったり、トイレでシャァーと流したりする水がない人が220万人もいるの??ですが、そう、アメリカでも、そんな問題、それに類する基礎的な生活環境が整っていない人々がおられます。格差・・・です。滅多にスポーツ関連の放映を見ない私も、素晴らしい活躍とさわやかなお人柄で、こんな息子・・・いえ孫がいたらとため息をつきながら拝見している大谷翔平選手の来年度の契約金が43億円!!それはそれで価値あるのですが、格差にはため息がでますね。

その昔、いわゆる開発途上国の、電気はおろか水もないといった荒野に滞留する避難民の保健プロジェクトを企画実践しなければならなかった時、こんな環境では絶対に思い浮かばないと思った言葉は「湯水のように使う・・・」という日本語でした。

直訳すると、“Use as hot water”ですが、なんのこっちゃ判りませんね。そもそも水がなく、お湯にするための燃料もないところでは、絶対に思い浮かばない言い方です。英語の達人にうかがいましたら、そもそもは、「湯水のように【お金】を使う」の意で、“spend money like water”はあるそうですが、これを日常的に使われることはあまりない・・・代わりに、“spend money like there’s no tomorrow(明日がないかのようにお金を使う)”とか、“spend money like crazy(狂ったようにお金を使う)”という言い方はあるそうです。ちょっとそんな風にお金を使って、言ってみたい!?

もひとつ、日本特有の使い方のような気がする言い方に「水に流す」があります。直訳すると“flush in water”ですが、意味するところは“wash away the past”で、つまり起こった過去を洗い流す・・・でしょうか。これも英語の達人にうかがいましたら、“let bygones be bygones(過去を水に流す)”という言い方があって、例えば、「(過去に起きたことを)水に流して前に進まなくてはいけない。“we must let bygones be bygones”」とか、もう既に水に流してしまったとの過去形で“water under the bridge”という言い方があって、例えば、“We had out differences in the past, but that’s all water under the bridge now.(仲違いもしたけど、それはもう過去のことよね!)”があるそうです。

静岡の停電、断水は、まだ、少し残っています・・・という言い方と、もう、ほとんど解消したという言い方・・・状況は同じですが、受ける感じは異なりますね。

毎年来る台風、数日前も揺れた地震、これから増えそうな豪雨や熱波など自然災害もありますが、何度も繰り返している選挙もあります。その成果、経過を水に流したり、資金を湯水のように濫用したりせず、つまり、同じ過ちを何度も繰り返えす愚はもう許されません。この国の先・・・ちょっとではなく大いに心配です。