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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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健康を護る。ザンビアで思う平和

ザンビア滞在も今日、あと半日で終わります。

それにしても、トルコ、シリアで過激な地震が続けて起りました。最初数百人の死亡と出ましたが・・・それは過少すぎるのではと思っていましたら、やはり7,000人を超える犠牲者が・・・

痛ましいとしか云いようがない虚しさと同時に、発災1日後の夜の、郷里宝塚での阪神淡路大震災時の光景がよみがえります。

さて、ザンビアのフィールドでは、かつてどっぷりと浸った「(保健医療)国際協力」、「開発協力」からは遠ざかっていましたが、国の内外を問わず、何処でも何時でも、どなたであれ、人々の健康を護ることは保健医療分野で働くものの責務です。では例えば、医師と看護師が充足されていれば、私たちの健康が護られるかといえば、そうでないことは歴然としています。

毎日の生活を思えば、適当な食物、安全な飲み水、寒暖からまもるための衣服や住居、そして長期的に考えれば、変化はあっても一定の範囲内にある気温や降雨降雪もあります。そして、それらの中で、どのように生きるかを考えるための学習、教育も、日々の生業<ナリワイ>を維持するための収入、それを得るための技術、さらにそれを修得するための訓練も必要です。安定した経済や政治が人々の健康と心地よい生存を護っていることは歴然としています。そして、瞬時に生命を脅かす災害、地球上の生き物を追い詰める環境、さらに人が人を殺める最悪の紛争の防止こそ、もっとも大事な健康の保護、維持だと、私は考えています。ですから、あれやこれや周辺を見まわし、少し長期的に考えれば、健康を護ることを保健医療分野に任せておけばよいとは、大いに短絡的で狭小な考えになります。

今回のザンビア訪問も、外務医務官として勤務された国々の医療不備を改善したいと「ロシナンテス」を立ち上げられた川原尚行先生と、そのロシナンテス理事を務められる高山義浩先生のお声かけでした。お二人は、スーダン、ザンビア、沖縄が拠点ですが、活動の範囲は、常に世界、そして将来を見ておられることを実感しました

左から高山先生、筆者、川原先生

ザンビアに足を踏み入れるのは二十数年振り、文字通り、通路がピカピカの空港ビルに、自分の年齢を感じました。荷物取り出しもきわめてスムーズで、昔なら、空港ビルの外に出るのに、ちょっと身構えねばならない国々があったことを思うと、何とも快適な入国でした。主な道路は舗装されていますが、前回書いたように、地方に向かうと、まだ、地道そして電柱が細くなって、やがて電線も見えなくなる・・・つまり、まだ電力が行き渡っていないと想像されます。しかし、周囲は緑一色、雨期のせいかも知れませんが、気持ちはよろしい。

首都のルサカは、国全体がやや高地であることもあって、暑いというほどのことはなく、ホテルも快適です。車で通りすがりの街の様子は、まずは地面に並べた炭や薪らしきものを売る人々、粗末な台の上に、野菜果物をきれいに積み上げた店が続く通り、ちょっとひしゃげた小屋に靴やTシャツなど様々な衣類をぶら下げてある店などなどもありますが、おしゃれなお店が並ぶ広いショッピングセンターや日本のスーパー的お店もあり、財布の都合で、どこで買うか、なのかもしれません。どの国でも、人の多いところはスリやひったくりに注意!と云われますが、ルサカでは、あまりそんな風を感じません。

毎日、車で走っているだけですが、この街では兵士が見当たりませんし、警察官もほとんど目につきません。それが、気持ちをなごませているような気もしますし、また、平和が健康をまもっているとも実感しました。ホテルやフィールドで見た。平和の象徴ともいえるザンビアの花々、ご覧ください。