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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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「気恥ずかしがっている」「市民活動家」のお話

小竹雅子さんが、『「市民活動家」は気恥ずかしい  だけど、こんな社会でだいじょうぶ?』(現代書館)という、とても興味深い本を出されました。

ちょっと、取り込んでいて読む暇がない!!と思いながら、読みだしたら、面白い=クスッと笑えるような面白さ、ヘエエ・・・そんなことがあったのか!と興味をそそられる裏事情、ソウダ!ソリャ何とかせにゃなるまいと、正しい意味での野次馬根性をそそられる事項が、次から次に出てきて、結局、寝る時間を減らすことになりました。

小竹雅子さんは、知る人ぞ知る『市民福祉情報オフィス・ハスカップ』を主宰されています。
前職の看護大学勤務時代に存じ上げたのですが、実際に、お目にかかったのは、2014年、現在勤務する笹川保健財団(当時 笹川記念保健協力財団)で開始した「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業で、(チマタの意見の集約的)福祉、社会制度とその実態(およびその問題・・・こっちが主だったかも)を講義して頂くようになってからです。
今までにも、『総介護社会 介護保険から問い直す』(岩波新書)とか、岩波ブックレットでの『介護情報ハンドブック』、『こう変わる!介護保険』、『介護情報Q&A』、『もっと変わる!介護保険』などを出版されていますが、今回はエッセイとして、小竹さんが、初めてご自分の中身、想いを吐露されたものです。で・・・

私の偏見的観察では、穏やかで物静かで、茫洋とした感がおありですが、それは小竹さんの仮の姿ではないかとも思っていました。本当は、小竹さんの中で、摂氏2000度くらいの溶岩みたいな想いが、常にどろどろ燃えさかっているのではないか。怒ったり声を荒げたりはなさらないが、1時間ごとに、そのマグマがぶつぶつ音を立てて吹き上がっているのではないかと、私は思ってきました。それも間違っていないようですが、もっと確信したのは、小竹さんは深い知性と教養の人だということ。そうしばしばとはお話する機会はないのですが、どんな話題であれ、ご自身のご意見もさることながら、その主題の歴史やゆえん、状況を静かに、そして押しつけがましくはなく、とつとつとお話してくださる、超真面目人間と思っていました。実際に、お叱りを被ることはありませんでしたが、ひょっとしたら、柳眉をひそめさせることがあったかも・・・なぜなら、小竹さんは、多分、クソ真面目で、お行儀よくお付き合いしないといけないと思い込んでおりました。
が、豈図らんや<アニハカランヤ>、今回の著書を拝見すると、失礼ながら、かなり・・・相当、オッチョコチョイなお人柄でもある・・・だから、お付き合いできてきたのだと、安心しました。

このご著書を、ぜひ、お読みください。
小竹さんが、問題に対して、いつも、一歩引いておられる感を受けていた訳が明確に解りました。最初のページに明確に書かれています。
「40年も市民活動を続けているが、市民活動家を名乗るには気恥ずかしい・・・その理由は、ご自分が当事者でない。そして専門家でない」と。この謙虚さ!!
とにかく、おもしろい・・・大阪風の突っ込みだらけ・・・読みながら、クックックを笑いが止まらないところがあります。もちろん、主題が、社会的弱者対策的なので、笑ってばかりではおれませんが、判りやすい書き方、ムム?と思うことは、注がついています。

小竹さんが、長年継続されている市民の立場での情報発信は、私が、自分をも含むすべての住民の健康そしてwell-being(日本語では安寧と訳されますが、心身共に心地よく安全なこと、と私は思っています)を維持するのに一番大事なプライマリー・ヘルスケアの理念、つまり住民の意識や考えを涵養するにとても重要な活動です。
でも、いつまでも、小竹さんのような、あえて申せば、メンタルあるいは知的な篤志家におんぶに抱っこでは、世の中変えられないと思います。ご一読の上、こんな社会にしてしまった責任の一旦を、お互いに果たせたら、と思いました。

ご本人から、出版をお知らせ頂いた折、「少なくとも、表紙はキタさんの気にいる・・・」と仰せになった所以、御意!