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鳥インフルエンザの続き

先の小欄に紹介したアメリカの鳥インフルエンザ情報の続きです。

JAMA(Journal of American Medical Association)-1883年来、アメリカ医師会が年48回、つまり毎週発行している国際的に権威ある医学雑誌が、先のCDC(米国疾病予防管理センター)の報告を取り上げています。(“As a Third Worker Tests Positive for Bird Flu in US Dairy Cattle Outbreak, Here’s What to Know” June 5, 2024, JAMA

それによりますと、「5月30日、CDCが牧場労働者で3人目の鳥インフルエンザ感染者を発表した。この感染者はミシガン州で確認されたが、H5N1鳥インフルエンザは、現在までにアメリカ全土の9州の67の牧場で発生している。」としています。そして、「最初の人感染は、3月のテキサス州だったが、5月22日にはミシガン州で2人目の感染が報告された。しかし、これらの2人は結膜炎症状だけだったが、3人目のミシガン州の感染者は、目の不快感にあわせて上気道の症状(咳)が報告された、しかし回復中」としています。

JAMA. Published online June 5, 2024. doi:10.1001/jama.2024.11500
に載った牛サン

「ミシガン州の最初の感染者の結膜からの検体から分離されたウイルス株は哺乳類には感染させる可能性のある遺伝的変化を示したが、ヒト-ヒト感染の可能性を示す変異は見らなかった」そうです。
「以後、感染の有無を調査するために監視されていた350人以上の中から39人が検査を受けたものの、感染確認はテキサス州とミシガン州の2人だけで、CDCは牛での感染が確認された地域ではインフルエンザを監視し続けています。牛に関しては、政府の命令で他州移送前にはインフルエンザ検査が義務付けられ、結果報告も義務化されています。しかし、まだ監視不十分でさらなる検査が必要だと、専門家は指摘している」そうです。

「問題は、季節移動労働者の存在や公衆衛生スタッフと資金の不足・・・とか、新型コロナで進んだ下水の感染経路調査が有用かもしれないそうで、新たにN5N1ウイルスを含む下水監視プログラムも始まっているとか。」
「一般住民が気がかりな牛乳ですが、乳牛での感染は主にミルクを通じて広がっていると考えられており、『生乳』の消費には注意が必要としています。ウイルスは加熱処理で不活化されるため加熱処理済み乳製品の消費を推奨しています。牛肉に関しては、感染牛からの肉のサンプル検査でウイルスは検出されていません。」
大事なことは、「感染予防のため、農業フェアに参加する際は適切な手洗いを徹底することが重要で、特に農場労働者や動物と接触する人々は、呼吸器症状が現れた場合には厳重に注意すること」だそうです。

鳥インフルエンザH5N1の感染経路
(“Avian Influenza A (H5N1) Outbreak 2024 in Cambodia: Worries Over the Possible Spread of the Virus to Other Asian Nations and the Strategic Outlook for its Control”より)