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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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看護管理学会 in 名古屋

先週末、第28回日本看護管理学会学術集会に参加しました。

「看護のルネサンス ~より自由に、より人間らしく、看護を描き出す~」をテーマに、名古屋大学医学部附属病院卒後臨床研修・キャリア形成支援センター 看護キャリア支援室室長秋山 智弥教授が学術集会長でした。

名古屋市の東の方ですが、熱田神宮にも近い一角にある壮大な国際会議場が、少数は私のような外野もおいでだったかとおもいますが、全国各地の看護専門家であふれるばかり、総勢6,500名近い参加者だったと伺いました!!!

名古屋国際会議場
https://www.nagoya-congress-center.jp/

2日目最終セッション前、2か所のキャリーケース置き場は満杯!

この学会、とてもユニークなセッションがあります。

『インフォメーション・エクスチェンジ』です。文字通り、information情報をexchange交換する場で、学会場で、学会の一環として行われますが、自主運営、学会本部は会議の準備は行うが(といっても、実際は学会運営企業?)、勝手にやってちょうだい!みたいです。毎年、とてもinterestingな話題が盛りだくさんです。

今年、日本財団在宅看護センターのネットワーク仲間が、これも勝手に、とてもユニークなテーマで挑戦しました。いずれ、中身は活動報告にアップされると思いますが、端的に申しますと、訪問/在宅看護事務所が、社会弱者的なメンタル問題などを抱える女性とその家族の妊娠・分娩、早期育児を、助産師と看護師、そして地域の福祉や医療施設とも連携して支援し、成果をあげている経過を、札幌市、鯖江市、熊本市、和歌山市の事務所が話題提供しました。実は、全国的にニーズが高いので、聴衆からはたくさん実践の話がでるかとおもいきや、全然・・・そして各地各所のお仲間から感嘆されました。次は・・制度にLet’s go!です。

さて、学会全体への私の印象です。

すべからく看護師諸氏は真面目、皆さま真剣にメモっておられました。若かりし頃、自分の演題を発表したらずらかって・・・みたいな不真面目は皆無とは申しませんが、二日目、最終セッションが始まる頃も目指すテーマの部屋の前には長蛇の列でした。

人々の健康をまもるという目的は医師でも看護師でも同じです。

小児科医として社会生活を始めた頃は熱心な医師であったと今も自負するワタクシは、上司の勧めまた自分の希望で、必要だと思う学会には必ず参加し、発表もたくさんさせていただきました。が、その頃の目的は、病気を治すことだったと、今は思います。

その後、国際保健に従事し、病気を治すことだけでは、人々の健康をまもれないことを痛感しました。そして病院もなく、医師もいないどころか、電気もなく、きれいな飲み水もないところでも住み続ける大勢の人々の健康をまもっている地域のHealth volunteersヘルスボランティアたちの活動に啓発されました。そして、看護教育、笹川保健財団と職を転じました。

今回、名古屋の、壮大な国際会議場で想ったこと・・・

人々の健康をまもる、生活をまもることは、もちろん病気を予防し、不幸にして罹った場合にはそれを治すことと一体化しています。しかし、生活や健康をまもるために医療を無視することもあり得ないですが、医療だけが独走しても、どんな素晴らしい医療技術が生まれたとしても、それが万人の生活と健康をまもることに直結しないことは歴然としています。

かつて、医学は理系といわれました。確かに基礎医学は、いわゆる理系の範疇かもしれません。が、医師として約20年、国際保健専従20年後にはからずも経験させていただいた看護教育と現在の福祉財団業から、私は医療は優れて社会科学だと確信するようになっています。

高齢化が当たり前の世界、少子化が進行する日本・・・人々の健康をまもるに看護の力をさらに活用すべきだと痛感します。

熱気あふれる看護管理学会の中で、また一段と、自分の中の医学、医療、保健、福祉の連携と特性が変化したような思いがありました。どこでも安心して暮らせる、そして望むところで最後を迎えられるそんな社会を護るのは看護師です、よね。

看護師各位のご活躍ご発展を切望します。