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「日本財団在宅看護センター」の開業計画発表会 ~絵に描いた餅~

1月ももう終わりが見えました。お正月休みと3連休、ペースが落ちたまま、時間だけが過ぎてゆきます。とは申せ、厳しい寒さの中、また、久しぶりの大雪報道の中、センター試験も終わりました。次は、入学試験…外では、イギリスのBrexit、アメリカの大統領の交代・・・何か、すっきりしない感ありですが、きちんと筋を通して動くべきが動くことは成熟社会の証でしょう。

毎年、この時期は、私どもの長期研修プログラム「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」の終盤です。長かった講義と実習の最後に、大学の卒業研究や大学院の修士論文発表に相当する開業計画の発表があります。

前後期あわせて4か月の講義は広範です。難しいよりは、実践家だった看護師諸氏には、ほとんどなじみのない本格的管理学、経営学、法律や労務に関する学問が、毎年、多数受講生にアレルギーをきたします。が、8ヵ月後、それがなぜ必要なのか、「眼からウロコ」の域に達して下さいます。研修生諸氏の納得は、第一線医療者による循環器、呼吸器、消化器、脳神経系、皮膚科、整形外科、メンタルなどなどの解説、おさえておくべき基礎医学知識も含みつつ、目前の超高齢社会にむけた高齢者の健康と疾患つまり不健康状態、さらに人生の最終過程の諸状況は、多数専門家の懇切丁寧な講義で繰り返されます。

病院とは、病気との闘いでは重装備の城でもありますが、在宅看護の場は、個々人のお住まいであり、機材資財同僚がそろった病院に比すれば、徒手空拳の戦いかもしれません。だからこそ、如何に看護知識を活用するかとともに地域での援軍が必要です。何よりも在宅看護を利用する人のお考え、そしてリハビリテーション、栄養、薬剤、検査、歯科口腔ケア、その他諸々の専門家とどう連携するか、地域の保健医療の継続性を担保するために、行政や地域の医療施設とどう協力するか・・・広範にして深淵な講義の数々は、何千片ものジグソーパズルを完成する過程であり、十分以上の頭の体操でもありました。が、起業家になるという意思が固まってくるにつて、ある人は徐々に、またある人は、ある時、急激にお顔付きが変化します。この研修は、意識改革が目的だとの理解が進みます。

実習は、昨年から、本研修終了後開業した先輩、ほやほや起業家の苦労の実感、他の先達の厳しい叱声もありました。老舗的組織や地域の取り組み、行政の認可の在り方、また、支援の受け方も学びました。

一昨日からの開業計画発表は、何故、在宅看護センターを開業するのか、開業予定地はどんな状況か、スタッフその他の準備状態は?どんなリスク要因があり、どんな対応を考えているのか?資金はいくらで、どのような手当が可能か、また、実践しているか。

きちんと詰められていない計画は、絵に描いた餅にすぎません。今年はお餅が少ない・・・上々の成果と思っています。

発表と意見交換は1時間半、しかし、終わればホッではありません。これからが個人の真剣勝負。予定の開業日に向けた、さらなる活動が、一人の責務が始まります。

週末の修了式では、本物のお餅が頂けますように。

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