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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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世界で最も広い都市 重慶 1

先週、中国 重慶市を訪問しました。

毎度の古い話です。1987年4月上旬、2泊3日でこの地を訪問したことがあります。前年から、北京の中日友好病院で勤務していましたが、87年の年初に、南米から中国への旅行者が北京で発熱し、帰国途中のアメリカでHIV感染が確認され、ちょっと騒ぎになりました。その後、某国外交官がAIDSを発病したとかの「ウワサ」が広がり、臨床検査を担当していた私に、講義をするよう病院幹部から指示がありました。

日本で、薬害AIDS以外の、初めてのHIV/AIDSが報告されたのは1985年でした。私事、それ以前に在職した奈良医大小児科は恩師吉田邦夫先生が血友病の診断治療の第一人者であられたこともあって、血友病の患者さんが多いところでした。

現在の重慶

そして・・・1980年代初頭の非加熱血液製剤(当時、生まれつき血が固まる能力を欠いている血友病の子どもが出血すると、古くは輸血で対応した時代から、必要な成分を血液から分離抽出した、いわゆる血液製剤の使用が広がった時期でした。アメリカ製の血液製剤にHIV/AIDSを発症させるウイルスが混入した!)による血友病患者へのHIV感染は身近ではありましたが、まだ、大問題となるには至っていなかった時代でした。で、講義の資料は、以前からご指導いただいていたニューヨークのアルバート・アインシュタイン大学教授に提供していただいて、まず、中日友好病院でやりました。そこに近隣の病院の院長がおられて、そちらでもやって欲しいと仰せになり、引き受けてましたら、そこに重慶大学の医師がおられて、重慶にも・・・となった次第でした。

その時と今の重慶を比べてどうこう申すつもりはありません。が、かつては四川省の省都であった重慶市は、1997年3月14日、旧四川省から分離され、省級直轄市となっていました。「市」というイメージでは語れない・・・市なのです。面積は約82,403km²は、日本の北海道の83,422 km²に匹敵します。そして人口3,205万人は日本の首都圏の3,700万に近いという、世界最大の市です。ちなみに、中国の直轄市とは、中央政府が直接管轄する一級行政区画で、北京(いわずもがな、政治の中心)、上海(商工業、経済、金融の中心)、天津(工業都市、港をもつ)そして重慶(内陸部の経済の中心地)の4市があります。これらの都市は、省同格で、政治・経済・文化的に非常に重要な地位を占め、また、一般的に人口が集中しています。

重慶の夜景 その1

重慶は、長江(青海省のチベット高原が源流の大河、中国大陸の華中地域を東シナ海へと流れる。全長6,300km、アジア大陸最長で、世界的にもナイル川、アマゾン川に次ぐ第3位。揚子江とは、長江の最下流部の異称)とその支流でもある嘉陵江の合流点あたりにあり、仄聞するところ、世界で一番橋の多い街だそうです。
大昔の訪問時には、周りの山々に目を奪われましたが、今回は、街のいたるところに林立する30~50階建のビルに、現在の中国を実感しました。また、その昔は、住居はすべて国有と聞きました、現在では、私有がほとんどとも。いずれにせよ、大河とかなり高い山々にかこまれた盆地、坂道が多く「山城(mountain city)」とも呼ばれるのに納得です。

但し、重慶は中国の西部大開発政策の一環で重点的に整備された工業・製造業都市で、今や香港と同じようなビル、ビル、ビルの都市です。が・・・周辺には、工事が中断した建物や、ほとんど明かりのついていない住居ビルもあって、ちょっと先が心配・・・余計なことですが。

交通は地下鉄やモノレール、路線バスが、たくさんの橋を越えて広がっており、朝な夕なの渋滞は東京と同じような感じでした。

車のナンバーが白地とグリーンがあるのですが、グリーンは電気自動車だそうです。
ざっと見た感じ、20%くらいがグリーン、帰路上海では、80%くらいがグリーンでしたが、重慶は坂が多く、完全に電気自動車化は難しいとか・・・したがって、路線バスは白ナンバーでした。

訪問の目的の人口、高齢化は次回に。

重慶の高層ビル群
重慶を流れる長江
緑ナンバーの車