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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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スポーツとは何か?

ミラノ・コルティナ冬季オリンピックがたけなわです。日本選手が次々とメダルを獲得されるのも嬉しい限りですが、スポーツにうといからかもしれませんが、冬のオリンピックを見ながら「スポーツとは何か?」を考えてしまいました。

スポーツ・・・そう、日本にはスポーツ庁というスポーツ政策を担うお役所がありますので、そこでのスポーツの基本的な考えを見てみました。が、その基本的考え方、「スポーツ基本法」は15年前の2011年に施行されていますので、結構、若いお役所ですね。スポーツにうとい私がその内容を要約するのは失礼ですが、こんな風に理解できました。

第25回オリンピック冬季競技大会 開会式の様子(Wikipediaより)

まず、 スポーツは「する・みる・ささえる」もので、単に競技者をするだけではないこと、つまり、スポーツは実際に行為する人と、それを観て、応援する人、さらにささえる行為(監督、指導・運営・ボランティアなど)が含まれていることです。ですから、オリンピックをみて一喜一憂していることもスポーツに関与していることになります。
続いて、スポーツは勝ち負けが目的ではなく、スポーツ庁の定義によりますと、
スポーツは、① 心身の健全な発達、② 健康の保持増進、③ 人との交流、➃ 地域や社会の活性化に資する文化的活動なのです。ですから、オリンピックのような世界レベルの競技だけでなく日常的な運動やレクリエーションも立派なスポーツなのです。
さらに、スポーツは単なる運動ではなく「文化」でもあり、① フェアプレー精神、② ルールの尊重、③ 他者への敬意、➃ 挑戦する態度などの価値が含まれています。さらに、スポーツを通じて、共生社会の実現を目指すことも含まれており、年齢・性別・障害の有無に関わらず、誰でもがスポーツに参加できる社会を目指す・・・なるほど、パラスポーツの推進や生涯スポーツの普及もあります。すなわち、スポーツ庁の考えによれば「競技」だけでなく、健康・教育・文化・地域社会を支える「広い意味の身体活動」がスポーツなのです。

で、冬季オリンピックです。
「これってスポーツ?」と思いながら、実はハラハラしながら観ています。たとえば、モーグルやスノーボードのアクロバット的な種目です。空中で何回転もしたり、その身体のひねり?や着地の美しさが評価されるそうですが、そこでは「速さ」だけでなく「技の完成度」や「芸術性」が問われているといいます。スポーツは文化なのですが、ハラハラし過ぎでしょうか、観ているだけで疲れます。

一方で、カーリング。氷上のチェスとも呼ばれるそうですが、ストーンの軌道の計算・・・予測や氷の状態の読みが勝敗に大いに関係するといいます。観ていますと、まるで物理学の演習のように見えます。カーリングが筋力よりも戦略や精度の競技といわれるわけですが、観ていてもメンタルにシンドイです。ホント、お疲れ様です。

冬季オリンピック、様々な競技があります

さらに、スケート、同じ氷上でも、スピードスケートは純粋にタイムを競うので判り易いですが、フィギュアスケートでは演技時間は決まっているので速さではなく、芸術点、演技構成、難しい技術を失敗なくこなすことが求められるのですね。ですから、勝敗はストップウォッチではなく採点表で決まるのです。同じ氷上ですが、まるで別世界ですね。

その昔スポーツとは、より速く(走る)、より高く(飛ぶ)、より遠く(投げる)と書いてあったような記憶がありますが、全く異なった次元になったようです。「速さ」や「強さ」や「高さ」や「距離」といった客観的数値で測るだけではなくなり、フィギュアスケートや陸上の体操では、「人はどこまで美しく、正確に身体を操れるか」が競われる・・・それも人間の能力の極限を目指しているのでしょうか。モーグルとかスノーボードでは、美しさも評価されているのでしょうか?

スポーツとは「身体の可能性」を試すことともいわれますが、例えばカーリングはきわめて戦略的にみえますが、正確さや判断力、持久力やチームワークも要するのでしょう。スポーツと、何か他のものが関与するような気もします。一方、モーグルは一見芸術的ですが、あのデコボコだらけの斜面を滑り降りるには超々持久力ある脚力?とバランス感覚がなければならないでしょうし、フィギュアスケートは美しいですが、連続してのジャンプの回転数や高さは物理学的でもあり、途方もない筋力を要するでしょう。どの種目も、形は異なりますが、人間の身体的能力と知性の限界への挑戦であると思って拝見しています。

いずれにしても、スポーツは速さなど数値だけではないのです。夏季オリンピックのモットーが「より速く、より高く、より強く」だったように思いますが、冬季は殊に「より美しく」なのでしょうか。

スポーツとは何か、身体とは何か、競うとはどういうことか、答えはあるのでしょうか?

ついでに、冬季オリンピックの歴史を調べてみました。雪と氷の競技の国際総合大会は、それほど古くはないようです。夏季オリンピック大会、すなわち近代オリンピックとして夏季大会が始まったのは1896年です。まもなく1908年ロンドン大会で、フィギュアスケートが追加され、1920年アントワープ大会までは夏季オリンピックの中で実施されたそうです。
冬季オリンピック大会第1回は1924年のフランスのシャモニーで開催されています。当初、「国際ウィンタースポーツ週間」と呼ばれたそうですが、後に第1回冬季オリンピックと正式認定されています。その際の種目は、スキー、スケート、アイスホッケー、ボブスレーで16か国が参加、第2回はスイスのサンモリッツで、この回に日本は初めて6人がスキーノルディックに参加しています。その後、第二次世界大戦の影響で中止、再開は1948年の再度のスイスのサンモリッツでした。

わが国で冬季オリンピックが開催されたのは1972年、札幌でアジア初、さらに1998年に長野でも開催され、ジャンプ団体の金メダルに熱狂しましたね。夏季と冬季が分離されたのは1994年ですが、それまでの同じ年に、夏も冬も開催されていました。この年から開催年がずれることになり、その最初はノルウェーのリレハンメルでした。以後、夏季と冬季は2年ごとに交互開催されています。

アジアでは、日本の後、2018年に韓国の平昌、2022年の中国の北京・・・そして今回のイタリア ミラノ・コルティナ・ダンペッツォです。次回2030年は、フランス・アルプス地方、34年は、アメリカ ソルトレークシティに決まっているそうですが、温暖化の影響はどうでしょうか・・・ちょっと気になりますね。