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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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花の季節と戦争

2026年4月23日現在、世界の緊張は複数地域で同時に高まったままです。

先般、アメリカ出身のローマ法王レオ14世が「世界は一握りの暴君によって荒廃させられている!」と仰せになりました。暴君・・・ならず者と見えます、私には。

イランをめぐっては停戦と交渉はとぎれとぎれに続いてはいます。攻撃に際しての一方的な大義名分は核とミサイル開発阻止、お節介に見えますが反政府勢力支援による体制転換=民主化?だったようですが、そのようには進んでいないですね。毎日見聞きするホルムズ海峡問題は世界中に関係する不安定要因です。一方、長い戦争になったウクライナでは和平協議が停滞したまま出口は見えていない感ありです。何とかならないのでしょうか。レバノンでは停戦下にもかかわらず、武装勢力の攻撃が再発しています。ため息。わが国には紛争はありませんが、自然災害の脅威があります。

4月も終わりに近づきましたが、四季のあった(過去形!) わが国では3、4月は花の季節の始まりです。色々な国で働く機会があった私はそれぞれの国の花(の季節)にめぐりあいましたが、桜が世界一と思っています。ですが、わが国では、戦いと花・・・桜と武士(道)、潔く散る、潔く死ぬ!になって、第二次世界大戦の最後の頃には、未来ある若者が特攻隊となる際の言い訳に活用されたような気がします。花に責任があるのではなく、使い手の人間の責任ですが。

春の一歩前に咲く水仙。現在住んでいる東京郊外でも2月頃、水仙が咲きだします。紛争地アフガン勤務時には短い春でしたが、少年たちがたらいイッパイの水仙を売っていました。その穏やかな光景とかぐわしい香り、そして阪神淡路大震災時の慰問の際、美智子皇后が被災者からお受けになった水仙をバスの窓でもにぎりしめられていたお姿が重なって思い出されます。日本では、その後、各地の被災地への激励に水仙がシンボル的に使われていますね。

戦争でも災害での、被災地にとっての花は、癒しとともに森羅万象すべてはかないことを象徴しているとともに、それでも必ずよみがえる、再生のシンボルでもあろうと思います。

水仙の花

毎度の古いお話ですが、高校時代、世界史が好きでした。
中世イングランドでは有名な「薔薇戦争」がありました。時は15世紀、日本では応仁の役をきっかけに、戦国時代が始まります。まさに中世、いくさの時代。薔薇戦争とは、国王ヘンリー6世をいだく赤薔薇をシンボルとするランカスター家と、王位正統性を訴え白薔薇を紋章とするヨーク家 ヨーク公リチャードとその息子エドワードの戦いです。あいだは飛びますが、後にヘンリー7世が「チューダー・ローズ(赤白融合)」として統合され薔薇が和解と統一のシンボルになった歴史物語として記憶しています。また、フランスでは王家の象徴に百合が使われており、百年戦争(1339~1453 英仏の王位継承、土地の所有権をめぐる戦い、ペスト流行や農民一揆で両国とも没落傾向になりました)でも旗印でした。確かに百合も高貴な感じがします。私は東日本大震災の折、2011年4月末に初めて現地に向かいました。その時、救援復興のためトラックなどが主だった仙台からの高速道、脇道に入った国道や県道の両側に咲き誇る見事な百合をたくさん見ました。大震災、しかし自然の悠久さとでも申しましょうか数キロ先の破滅的な惨状を見た後の豪華な百合、強さでしょうか、負けるな!のメッセージでしょうか。それ以来、百合をみるとちょっと胸痛い想いがわきます。百合に意思があるのではないのですが、何か伝えているような・・・

バーネットの戦い(1471年)Wikipediaより

一方、日本では家紋に多くの植物が使われています。私の生家は、割合、ありふれ感のある「五三の桐」ですが、自分の紋章は勝手に作っても良いと聞いたこととボーナスを頂ける身分になった頃に、「下り(さがり)藤」の格好良いエンブレム!入りの和服を新調したことがありました。が、家紋というのは歴史、伝統をもってこそしかるべきであり勝手に脱線したのは若気の至りでした。斯く斯様に、日本の家紋は、その家や一族を示す紋章です。私一人ではなく・・・です。特に武士の時代では戦場で旗や鎧に描き、敵味方を識別する重要な役割もありました。が、意外と身近なものや自然の何かから図案化されたようです。日本の国花の菊は皇室の16枚の花弁をもつ「十六葉八重表菊(じゅうろくようやえおもてぎく)、発音は「きく」でなく「ぎく!」ですし、徳川家の葵・・・水戸黄門の印籠で有名・・・などなど植物由来が多いそうです。

イギリスでは、11月11日のリメンブランス・デー(戦没者追悼記念日)に王家の人々はじめ、皆、ポピー(赤いひなげし)の飾りをまとわれますね。第一次世界大戦後、戦場跡が真っ赤なポピーに覆われた様子をカナダの軍医が『フランダースの野に』という詩に読んだことが始まりだそうです。

下り藤

イランの国花は薔薇とチューリップ、ウクライナは向日葵(ひまわり)、レバノンはレバノン杉、ついでのアフガニスタンはチューリップ、スーダンはブッソウゲ・・・??ですが、戦争が終わって、世界中が花だらけになる日が早く来て欲しいものです。