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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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ボールを追う人、武器を取る人

先週は、とても嬉しい週でしたが、ちょっと興奮しすぎたのか、週末、夏風邪でダウンしました。

報道などにも出ていますが、7月6日に宮城県石巻市で、2025年の10期受講者の日向園恵さんが事務所「在宅看護センターまでぇな」を開きました。あの東日本大災害の被災地石巻市は、日本財団尾形武寿会長の郷里であり、会長とともに齋藤正美市長以下、市の関係者がお揃いで開業を祝ってくださいました。日本有数の漁場であるリアス式海岸の広がる街・・・災害からの復興だけではなく新しい地域作りの一角に、仲間が入れていただければとても嬉しいです。

そして翌日七夕の日には同じく10期受講者の吉田強志さんが福島県大玉村に事務所「在宅看護センターえん和」を立ち上げました。二本松市と郡山市の間、北西には安達太良山、東には阿武隈川が流れている壮大な自然の中の村・・・2014年に研修事業を開始し、2015年の最初の開業者から数えて150番目の事務所開きだそうです。人口約9,000人の村には医療施設がなく医師もいない・・・近隣二本松市、本宮市と大玉村の3市村は安達医師会の管轄下だそうですが、地域の保健医療の第一線を護る看護師の役割が問われるかもしれません。

お二人の新規開業者のご活躍を心から祈念いたします。

世界に目を向けますと、この週末は大きな二つのスポーツイベントに沸いています。すなわち4年毎に世界を熱狂させるFIFA(国際サッカー連盟)の大舞台は準々決勝戦を迎えましたし、毎年のことながら、決勝戦は夜中で寝不足になりかねないウィンブルドン選手権も最終日、男子シングルスの新しい世界王者が決まりました。

10期受講者吉田強志さんの事業所「在宅看護センター えん和」

一方は、大きなボールを足で追い、頭で飛ばして!と、手を使わない競技。もう一方は、小さなボールをラケット一本で打ち合う競技です。どちらも勝者と敗者が生まれます。しかし、試合が終われば互いの健闘を称え合い、観客は拍手を送り、世界中の人々がその技術と努力に感動します。ホントに本当に、ハラハラしますね。
人類は、「争う」ことを、こんなにも平和的で美しい形に昇華する知恵を持っているのに・・・その同じ時期に、中東ではイラン情勢が再び緊張を高める兆しを見せています。

イランの前最高指導者アリ―・ハメネイ師が、アメリカと同調してのイスラエル軍の空爆で亡くなったのは2026年2月28日現地時間午前9時40分頃とされています。4か月半近くたっての、この度の葬儀は服喪期間が4か月だったことを思うと納得ですが、いったん落ち着いたかに見えていた対立が新たな局面を迎える危険性も指摘されています。良くわかりませんが、宗教的想いが深い国や地域では、葬儀が人々の結束を強める一方で、対外的な報復や復讐、強硬姿勢を求める声も高まりがちです。いったん解放されたホルムズ海峡をふくめ、この地域の安定はなお予断を許しません。
考えてみれば、国家間の対立も、もしルールを守る競技で決着をつけられるなら、どれほど多くの命が救われることでしょう。最近の戦争は高度IT化されて、まるでゲームのようだとも云われます。なら、いっそのこと、任天堂のゲームで決着付ければいいのにと・・・と私はアホなことを思います。

ハメネイ師の埋葬式が行われたイラン・マシュハドのイマーム・レザー廟

もちろん、現実はそんなに単純ではありません。国家の安全保障や宗教、歴史、資源など、スポーツやゲームで解決できない複雑でややこしい問題がイッパイあります。それでも、人間には「力」だけでなく、「ルールを作り、その中で競い合う能力」があります。それこそが文明の成果ではないでしょうか。

保健医療の世界でも同じだと、私は思っています。病気と闘うことはあっても、人と人が敵になる必要はありません。感染症への対応も、災害への支援も、世界各国の医療者は国境を越えて協力してきました。健康は、政治や宗教を超えて共有できる価値だからです。

FIFAもウィンブルドンも、世界中の人々が国籍や文化を超えて一つのプレーに歓声を上げます。その姿は、人類が本来持っている「共に喜び、共に感動する力」を思い出させてくれます。
ボールを巡る戦いはいくら盛り上がっても構いません。

しかし、武器を巡る戦いだけは、これ以上盛り上がってほしくありません。
この夏、世界中の人々がスポーツに送る拍手が、いつの日か平和への拍手となることを願っています。保健医療は人類が争いではなく協働を選ぶための社会基盤であり、それがもたらす成果である健康は人類共通の公共財なのです。ホント、その国にも、その国の将来や国民のことをお考えになっている賢い人々がおいでです。何とかしてください!!!