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坂口力元厚生労働大臣のご逝去

坂口力元厚生労働大臣が、8月7日にご逝去されました。
心から哀悼の意を表します。

坂口大臣は、2001年の熊本地裁判決で、政府が初めてらい予防法によるハンセン病患者への「無癩県運動」に対する責任を認めた2001年5月11日の熊本地方裁判所の判決、『らい予防法違憲国家賠償訴訟』の国の全面敗訴を受け入れ、厚生労働大臣として辞任の決意の下、控訴しないことを決定されました。そして小泉内閣総理大臣に進言されました。
小泉総理大臣が控訴断念し、判決が確定した後、謝罪声明を発表され、かつてのハンセン病患者、各地の国立ハンセン病療養所の入所者に対しても謝罪なさいました。

坂口大臣のご決断によって、国の隔離政策の誤りが認められ、その後の補償や名誉回復そして真相究明や、ハンセン病に対する正しい理解と差別偏見の解消のための普及啓発の方向性が決まりました。大きな転換点を作られた大臣でした。

ハンセン病問題に携わっている!と、大声で言えるほどのことは出来ていませんが、私ども笹川保健財団では、2020年から、国立ハンセン病資料館(多磨全生園に隣接)及び重監房資料館(群馬県吾妻郡草津町)の管理運営と、全国の国立ハンセン病療養所に設置され国立ハンセン病資料館と同様の役割を果たしている社会交流会館等の運営支援を厚生労働省から受託しています。資料館はハンセン病に関わるかつての療養所隔離の歴史を保存展示することで、この国の「負の記憶」を検証しつつ後世に残す一大事業です。

坂口元厚労大臣のご逝去は、改めて2001年の熊本判決後の厳しい時代を思い出させると共に、ハンセン病問題の新たな時代を切り開くきっかけを作られた当時の関係者とその後、現在に続く「闘争」の歴史を思い返させます。

改めて、坂口元厚労大臣のご冥福を祈るとともに、私どもに与えられた任務の重要さをも改めて認識し、誠心誠意、努力してまいります。

ご関係の皆さまに置かれましても、いっそうのご指導ご支援を切にお願い申し上げます。

喜多悦子