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成果の発表 ~笹川保健財団 2018年度助成報告会~

一昨日、2019年6月17日、財団の2018年度の各種助成事業の成果の発表会を行いました。財団の助成事業は、少々複雑でありますが、その1は、どこでも行われている研究助成です。私どもは、十数年、緩和ケアに関する人材育成事業を行ってまいりましたが、一昨年までは、それと連動する形で、緩和ケア関連の研究支援でした。

が、当初の緩和ケアの対象が、悪性腫瘍、HIV/AIDSから心不全に、また、緩和ケアそのものが医療施設内から地域在宅にも拡張しつつあることを鑑み、昨年からは、広く地域保健・医療の範疇の研究、とくに地域でのケアを支えて下さる医師、歯科医師、看護師/保健師、薬剤師、栄養士ら、誰もが思い浮かべやすい医療保健職とともに、口腔ケア、リハビリ、福祉、介護などなど、現在の地域の保健関連専門家や、その連携・・・多職間連携にかかわられる方々からの助成申請を歓迎するようになっています。このような応募は、実際には、まだ、少ないのですが・・・また、他ではなされていないユニークな実践的研究を歓迎しています。こちらは、今年、「がん終末期のセクシュアリティ」という、寡聞にして知らないのかもしれませんが、興味深いご発表を頂きました。

次いで、その2は、地域啓発活動への助成です。地域啓発って、何のこっちゃ?と思し召しでしょう。実は、2014年来の在宅看護センター起業家育成事業の修了生各位が、全国各地で開業されるにつれ判ってきたのが、「在宅医療・看護」、「訪問看護」そして「在宅での緩和ケア」といった地域での生活ぐるみのケア支援の効果、有用性があまりご理解されていないことでした。で、私どもの新しい助成事業として、地域の人々に、在宅での医療や看護の役割・・・と云うより効果、有用性をご理解頂くような、小ぶりの集まり、啓発活動を、繰り返し行っていただくための低額の助成を始めたのです。年間30万円ですが、地域の方々とのface-to-face的談合!!で、口伝えに、確実に必要なメッセージを伝達して頂くために、比較的柔軟にご活用頂ける資金です。日々の活動の拠点である訪問看護ステーションや、大学、中学などでの活動が発表されました。

最後は、教育機関での研修支援、奨学金です。国内外の大学院での修士、博士号修得のための支援です。

コメンテーターの佐野けさ美先生

全体で、口頭で10名、資料で27名という多数者の発表でしたが、コメンテーターの5名(医師2、看護師1、リハビリ1、リベラルアーツ1)からの有意義な、そして時に辛辣なコメントやアドバイスもあって、3時間半があっという間に終わりました。脳の栄養補給の後、引き続き、本物の栄養補給のための懇親会を持ちました。お開きを宣言しても、議論が終わらず、主催者としては、嬉しい半日でした。

少し苦言を申しますと、ドタキャン5名は全員看護師!仕事柄の緊急事態も否定はしませんが、何カ月か前に予定した、このような集会を、前日当日にメイル、電話一本で欠席は、社会通念上、如何かと思いました。ま、「人心色々あるは、その人面の如し」でしょうが。