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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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休暇・・・育児休業

先々週、1週間の休暇を取りました。先に、5月には、通常の、いわゆるゴールデンウィークと今上陛下御即位の祝日が重なり、週余のお休みがありましたので、4ヵ月間に2度目の長い休みでした。

時々申すことですが、大学卒業後、転々とした私は、現在の職場が17番目であり、独り身だったせいもあって、実に様々なところに住みました。そして、無精もあって、どこでも現地の食べ物を、それもどなたかが調理して下されば、美味しく頂ける特性もあり、本当に、どこでも、住めば都だと確信しています。幼時、さほどの寒さの記憶はありませんが、零下20度が続いたという中国東北部の冬も、持参の温度計では53度で水銀が振り切れた激暑のペシャワールも、また、地域紛争地で、まんじりともせず、厚い鉄の扉が打ち破られないようにと不寝番をしたコンゴ民主共和国の東部の田舎街も、今では懐かしく思いだされます。

それにしても、ここしばらくの暑さと湿度は、どう考えても異常です。

まるで、地球という大きな家の中で、誰かが同時にお風呂に熱湯を張り続け、庭ではガンガンたき火を燃やしているため、広い家といえども、隅の隅まで湯気と熱気が立ち込めているような状態でしょうか。地球温暖化などと云う生易しい言い方では、もはや実態を現せない異常さ、ホント、皆でどうするか真剣に考えても、間にあわないかもしれません。

閑話休題。

私の夏休みは、また、別の熱さがありました。一昨年の九州北部豪雨で、朝倉市にお借りしていた、お気に入りの山近くの家は住めなくなり、今度は、海に近いといっても、車で20分ですが、新たに古いけれども改築された家を見つけました。そして、そこへ三々五々かつての職場看護大学の卒業生たちが訪れてくれました。

9月中旬というのに、高湿度で30度を超える日、さらに熱い、あつい時間でした。10年あまり前の、学生時代にもどって、喧々諤々の看護論というより、保健論世直し論が交わされました。皆、ピチピチの中堅ナースと申したいところですが、大半は育児休暇中、それも二人目、三人目ですから、学生時代のような、ほんわかした見方でなく、世の中辛辣にそして厳しくみています。大学が何をするところか?「医科大学は医師を育てるところ?当たり前じゃ、どこでもやっているが・・・ここは人間を育てるところじゃ、お前たちちゃんとした人間になれっ!!」と、これは私の恩師のおひとりの、ちょっとしたお酒の場でのお言葉でしたが、今回再会した30代前半の元学生たちは、皆、ママで、看護師であるだけでなく、立派な人間になってくれていました。蛇足を申せば、皆、母乳保育。さすがに看護師のママたちは、元小児科医の私が口出しする余地なき、素晴らしい育児ぶりでした。

私には、ひ孫世代の幼児たちが、数名、ごそごそ、ちょろちょろ、時には絶叫マシーンのように一斉に泣き声を上げてくれましたが、長年忘れていたと申すか感受性を失っていた脳みそのどこかが、あるいは心の一部がビンビンと反応しました。

子ども!!

子育てとは、個人的な満足感や喜び、そして苦しみや困難を超えた、地域社会そして国を維持発展させる根幹のプロジェクトだなぁと思いました。従って、今回はとてもやかましかったのですが、心地よい刺激でした。彼女たちは、皆、育休後の復職を目指していますので、それなりに保健医療のニュースや情報には敏感で、授乳中も喧々諤々盛り上がりました。

さて、先般、某社の男性の育休後の転勤はハラスメントであるとの訴訟が始まりました。

このニュース、海外でも『日本のお父さん「育児休暇後の罰」に反撃』といったタイトルで報じられています。一方、社長イニシアティブで、3歳未満の子どもを持つ全男性スタッフが、1ヵ月以上の育児休暇をとったいう積水ハウスの経験も報じられています。

実は、小学校教諭のパートナーが1年のイクメンを経験されたという卒業生がいます。現在、二人目の育児は、彼女が替わって育休をとっていますが、その背の君は、元々、思慮深い男性でしたが、育休を取られて何が変わりましたかと尋ねたことがあります。その答えは、「学級の受け持ちの子どもの、特に母親との面接時、ご家族や特に他の子どもへも配慮して発言できるようになりました」と仰せでした。一人の子どもが大人を育てるのですね。私は、これらの新しい生き方を颯爽と実践しているカップルたちに沢山教えられています。

私自身は、子どもを持っていませんが、今や、世界中に孫は数十人、ひ孫は十数人程度・・・育児の大事さを共有し、そして束の間でもそのしんどさから脱却できる場を提供したいと思っています。次回は、年末に・・・