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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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赤ん坊

毎度古い話で恐縮ですが、1976年と云えば44年前の今日、鹿児島県で五つ子ちゃんが生まれました

私の新生児の恩師でもあった、当時の国立岡山病院の山内逸郎先生が、列車とタクシーを乗り継いで鹿児島に向かわれました。懐かしいです。

なぜ、記憶しているかといえば、当時、勤務していた国立大阪病院に、赤ちゃんのおじさんにあたる人が勤務していたので、皆で、ワイワイ冷やかした記憶があるのです。後に、彼が笑っていったのは、お年玉など、何かを用意するには、常に5個必要だから大変だ!!それはそうですが、でも、それは今となれば、ぜいたくな文句ですね。

どこかに書いた記憶もありますが、私は、小児科、特に新生児分野に関与していた頃、インドの詩人で思想家でもあったタゴール(1861.5.7-1941.8.7)の詩の一説をノートに張り付けていました。

「赤ん坊は、神が、まだこの世に失望していないというメッセージを持って生まれてくる」

タゴールは、『ギタンジャリ』という詩集で、ノーベル文学賞を受けていますが、これはアジア人第一号のノーベル賞でした。また、タゴールは、ベンガル語でインドの国歌を作詞作曲していますが、後に東パキスタンとなり、さらに独立してバングラデシュとなった隣国の国家の作詞者でもあります。また、この偉大な詩人は、日本に関心を持ち、岡倉天心、河口慧海、野口米次郎らとの交友があったそうですが、それは、日本人の自然を愛でる意識を高く評価されたが故だそうです。この方は、また、私なりに、偉大な平和主義者と理解していますが、満州事変には批判的だったそうです。

話がタゴールにむかいましたが、最近、多胎妊娠の胎児の数を減らす減胎手術で全胎児が亡くなったという経験をされたご夫婦の裁判がありました。

不妊、不妊治療、多胎、減胎手術・・・出生前診断、遺伝相談・・・

先天性異常を持った子どもも大人も・・・います。

人生がいつ始まるのかも含めて、生命の尊厳難しい、永遠の問題だと、裁判の経過を読みながら思いました。

沢山の赤ちゃんが、無事に生まれてほしいですね。