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災害の定義と種類

COVID-19と命名された新型コロナウイルスの感染症が広がっています。

この新顔ウイルスは、2019年12月中頃、中国河北省武漢市の海鮮市場あたりで多発した肺炎患者から分離されました。コロナウイルスが馴染みになった最初は、2002年11月から翌年7月までの間、中国南部広東省に発生したSARS(Severe acute respiratory syndrome、重症急性呼吸器症候群)でした。香港を介して37ヵ国に広がり、8,096人が感染し、774人が死亡(致死率 9.6 %)しました。その後、2012年にサウジアラビアで発生し、2015年、イギリスで同定されたMERS(Middle East respiratory syndrome coronavirus、中東呼吸器症候群)も、同じコロナウイルスです。一見よく似ていますが、今迄、人類への感染が皆無だった、新たな病原性をもつ新しい微生物(ここではウイルス)が、何らかのきっかけで人体に侵入し、病気を引き起こし、それが世界各地に広がりつつあるのが現状です。

コロナ・・・といえば、太陽の周りのひらひらを思いだします。ラテン語で丸い光の輪(光冠)を意味しますが、このウイルスは本体の周りにヒラヒラというかブツブツとした突起のようなものがある特徴的な外観から名付けられました。

大型客船による観光をクルーズと申しますが、先般、ややこしい時期に・・・という云い方は不謹慎ですが、1月20日に横浜港を出発したクルーズに参加し、香港で下船された乗客が新型コロナウイルスに感染していたことが判明したことから、「ダイヤモンド・プリンセス」号に脚光?が当たりました。このために、急遽、横浜に戻った豪華客船は長崎生まれ、日本製の超大型の客船です。そういえば、建造中に火災を起こしたため、同時に建造されていたもう一艘が改築されて、「ダイヤモンド・プリンセス」として納入された・・・という記事を、福岡に移住して何年もたっていない頃のニュースで見た記憶がよみがえりました。

この客船、現在、イギリスのP&O(Peninsular and Oriental Steam Navigation)という会社の所有物ですから、国籍は英国ですが、所有者は、アメリカのカーニバル・コーポレーション(Carnival Corporation & PLC)社です。そして、この会社が、日本や東南アジアのお客を増やすクルーズプランを強化したことで、冬場は東南アジアを巡っているため、何度も乗船されている日本人もおいでだそうです。総トン数115,875トンって、ピンときませんが、毎日のように放映されていた全長290m、水面からの高さ54m、客員総数2,700名余、総客室1,337室といえば、小さな村落と同じ規模ですね。加えて乗組員1,200名余・・・総勢4,000名ですから、まったくもって地域社会です。豪華船ですから、ありとあらゆるエンターテインメントが提供されているのでしょうが、お寿司バーや24時間営業レストランもあるとか。当然、乗客も乗務員も多国籍。未来の日本の地方村落もこんな風に・・・と、ちょっと想像しました。

閑話休題。

わが国は災害が多いと云われます。過去数十年を振り返りますと、まずは、地震。1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災・・・地震、津波そして福島原発事故、2016年熊本地震、2017年北海道胆振東部地震、2018年大阪北部地震。次いで、台風と豪雨では、2014年の広島の豪雨、2016年の北海道への台風と豪雨、2017年九州北部豪雨、2018年広島岡山豪雨、2019年には、ふたたび九州北部で豪雨、東京と東北一帯への台風と豪雨・・・火山爆発は、2014年の御嶽山の爆発などなど。

わが国に多い災害は、圧倒的に自然災害、それも圧倒的に、地震(と津波)、火山爆発といった地殻変動災害と台風、豪雨です。一方、外国では、わが国にはない大規模山火事・・・昨年来のオーストラリアやアメリカのサンフランシスコの火事は、延々、何ヵ月も燃え続けましたし、オーストラリアでは、山火事シーズンという言葉があるくらい、毎年の災害だそうです。その他、最近では、地球温暖化や気候変動など、一国一地方では収まらない、また、何時始まって、何時終わるのかが不明な災害も増えています。

災害分類は、古くは自然災害と人為災害あるいは技術的災害とされてきましたが、現在は、これらに加えて、国家間の紛争である戦争に代わって増えているある国内の地域紛争などを「人道の危機Humanitarian Emergency」として別枠に分類することもあります。では、今回のようなウイルスなど微生物感染はどう考えればよいのでしょうか?

災害の定義も分類もいくつかありますが、ここでは、約30年前、旧知のDebarati Guha Sapir博士によってはじめられたベルギーのルーヴェン・カソリック大学のEM-DAT(Emergency Events Database)に基づいたものを示します。

災害Disasterとは、「地域社会の許容力を圧倒的に凌駕し、他の国や国際社会からの外部支援を必要とする突発的な出来事であり、膨大な損害、破壊および人的被災を惹起する多くは自然現象によるが、人的理由によっておこるものもある。(Situation or event, which overwhelms local capacity, necessitating a request to national or international level for external assistance (definition considered in EM-DAT); An unforeseen and often sudden event that causes great damage, destruction and human suffering. Though often caused by nature, disasters can have human origins.)」そう、突発的で、現地だけではどうしようもない出来事で、人間の生命や生活に障害を起こすものが災害です。

次いで、その分類は、大きく、自然災害と技術災害にわかれます。簡単な一覧は以下のようです。

自然災害Natural 地球物理学的災害Geophysical―地震、火山爆発、大避難、

気象学的災害Meteorological―極端な高温低温、霧、暴風(台風)、

水理学的災害Hydrological―洪水、地滑り、波浪現象(津波)、

気候学的災害Climatological―干ばつ、氷河湖崩壊、山火事、

生物学的Biological―感染症大流行、昆虫大発生、野生動物による事故、

地球外からの災害Extraterrestrial―衛星事故、宇宙気象による災害。

技術的災害

Technological

工業事故Industrial accident-化学物質溢出、建造物崩壊、爆発、火災、ガス溢出、中毒、放射線、オイル流出他、

交通事故Transport accident-飛行機事故、道路事故、鉄道事故、船舶事故、

その他の事故Miscellaneous-倒壊、爆発、放火、他。

現在、刻々と地球上に広がっている新型コロナウイルスの流行は、これで見ますと、自然災害に属する生物学的災害のひとつです。

新興感染症(Emerging Infectious Disease)という言葉は、1990年代に生まれましたが、実態は、1970年代頃から、それまで知られていなかった病原体による感染症を総称しています。現在では、約30種ほどの新興感染症が知られていますが、アフリカのエボラウイルス病のように、しばしばある地域に限局することが多かったのです。が、同じく1980年代に、最初は経済界で始まったグローバル化によって、今では、大多数のヒトや膨大な量のモノが激しく、早く、広く移動する社会になりました。感染症の原因であるウイルスや細菌は、それ自身では、それほど遠くに広がる能力はありません。人や動物について移動しています。

私たちが、今、遭遇しているCOVID-19も、私たちが広げているとも申せます。おかしいな・・・と思ったら、まず、出歩かない。そして、他人からもらわないためにも、不要不急の人込みへの進出は控えましょう。
それにしても、早く収まって欲しいですね。

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