JP / EN

Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

猫イメージ

あの日の災害、今日の災害

9年前の昨日、午後2時46分、18秒、あの災害が起こりました。

あれから、満9年が過ぎました。昨日は、職場で黙祷させて頂きました。

改めて、この途方もない災害を振り返り、亡くなられた方々を追悼し、ご家族やご関係者に哀悼の意をささげます。

現地の復興は、日々、進んでいるとは申せ、未だに6,000もの人が仮設住宅にお住まいであり、何よりも失われたものはかえりません。災害時の救援や復興復旧への取り組みとあわせ、防災の考えを強めねばなりません。

過日、災害について記しましたが、色々な災害の中で、東北大震災にあわせて生じた放射線災害は稀な災害であるとともに、極めて経過の長い災害であり、その意味では、東北大震災は決して過去の災害ではありません。

それから9年の間、色々な災害がありましたが、現在は、わが国だけでなく、世界中が、とうとうpandemicが宣言されたCOVID-19の対応に苦労しています。

通信社AFPによる日本時間11日午前2時のコロナウイルス(COVID-19)感染者総数は、107の国/地域で、11万7,339人、死亡数は4,251人(致死率3.6%)です。

 

 

1、2の興味深く、役立つ情報を取り上げてみました。

その1は、The New York Times 2020年3月10日のオピニオン欄のコラムニストDavid Leonhardtの意見「コロナウイルスに対する7手段ー何か見落としていない?調べてみよう。」です。誰でも出来そうな7項目が解説されています。が、そう簡単ではない・・・

1.手を洗う 手洗いは有効。ウイルスが手に付いても、顔を触る前に手を洗えばウイルスはなくなる。最低20秒間(「ハッピバースデー」を2回歌えば20秒)きちんと洗えば、よい。手をきれいにするすることはもちろん大事、石鹸使用も良い。

2.やたらに顔をさわらない 顔を触らないではいられないけど、なるべく触らないように。特に人出の多い所でドアノブに触れたら、手を洗わないで顔は触らない。ティッシュをあちこちに置き、手を使うことをやって、顔を触らないように努力!

3.人と距離を取る ちょっと難しいが、仕事場でも外出時でも、人とは約6フィート(1.8m)間隔をあける。握手はしない。手は立派な感染源になる。ハグや握手をしないで、挨拶は軽く頭を下げれば、ぎこちなさはない。

4.風邪気味なら、なるべく家に留まる (もちろん、断定はできないが)体調不良だけでコロナウイルス感染とは云えない。けど、軽い風邪症状で救急外来に押しかけたら、風邪をまき散らしたり、自分が重症化したりするし、本当に医療を要する重症者の診療が出来ないし、また、あなたがそこでコロナウイルスをもらうかもしれない。

5.マスクを買いこまない マスクは、病院など医療施設で働く医療者が必要とする。あなたに関しては、あなたが呼吸器系感染症に罹っていて他人にうつしたくないとか、直接、呼吸器系の病人の世話をしているとか、あるいは病院で呼吸器系患者のケアをしている人と直接面談する場合にのみ役に立つ程度だ。

6.食料と薬の備蓄 トイレットペーパーを買いに走りまわったり、缶詰1年分を買ったりする必要はない。が、少なくとも14日間(推奨される検疫期間)分の用意はお勧めだ。適切な買い物リストとは、缶詰、ドライフードや冷凍食品、飲料、ビタミンと風邪薬だ。 常用薬も準備する。

7.近隣との連帯 家を閉鎖し、個人的隔離状態にする時の必要事項一覧表には、きちんと対応できないご近所の方の名前も入れておく。そんな方がいたら、あなたの電話番号を知らせ声かけもする。コロナウイルスは、特に70歳以上の人にはリスクが高い。

ここに書いた対策は、本当は、そんな人々にこそ必要だから、あなたが若ければ、どんな風に支援できるかも考えておくこと。

では、実際の患者はどんな症状でしょうか?

一般向けではありませんが、かつて勤務した国立国際医療研究センターの感染症専門医たちの発表では、

・(ウイルス感染から症状が出るまでの)潜伏期はおよそ5日、多くの症例はウイルス感染から1週間以内に発症

・発症から数日~1週間くらい、感冒様症状が続き、7割程度で肺炎を伴う

・症状は、発熱が約9割、咳が7~8割、痰が3割程度、咽頭痛や鼻づまりも一定数

・重症例が多い武漢市からの報告で、下痢は3%とSARSやMERSに比べて低い。ただし、COVID-19の消化器症状は少ないが、最初に微熱と下痢から始まった人もいる。頻度が低くても、比較的重要な所見・・・

・高齢者・基礎疾患のある患者は重症化リスク

後、専門的ですが、COVID-19が原因と判明できる(特徴的なレントゲン像を示す)症例は少なく、CT画像で下肺野(胸膜下周辺)に浸潤影・すりガラス影が両側性で確認されることが多く、致命率(致死率、ある病気の集団の中の死亡者の率)は2.5%で、SARS(9.6%)やMERS(34.4%)に比べて低く、軽症例や無症状例が一定数いる無症状500人のうち5人がPCR検査陽性=武漢市からのチャーター機帰国者のうち、国立国際医療研究センターで診察した方々。また、症状が治まっても、また、無症状でも長期間ウイルスを排出する場合がある・・・などなど。

急速に、この新しいウイルスの性質や感染の経路が解明されていますが、全体としては、インフルエンザ様症状で、COVID-19に特異的な症状はなく、迅速診断(直ぐに判定できる)が可能なインフルエンザを排除しても、だからCOVID-19とはいえず、インフルエンザや他の感冒とはいささか異なる経過を参考に、必要な検査や治療が行われている・・・厄介な新しい病原体ですね。

また、治療上、どんなウイルスも、それをバッサリ殺す薬はありません。二次的に細菌(ウイルスより大きな微生物、結核や赤痢、コレラはそれぞれを発症させる細菌が存在)感染があれば、抗菌剤(細菌を殺す薬剤)が処方されることもありますが、ウイルス性の病気は、感染者の体内に抗体というウイルスを殺す物質ができて初めて治癒しますので、体力というか免疫力というか、自分の力が大事なのです。

外なる災害に対して、体力がない・・・内なる災害を起こさないように、きちんと栄養のバランス、適当な運動や睡眠、日光に当たることも大事です。