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まだまだコロナが・・・

世界的な医学週刊誌NEJMのジャーナルウォッチ(医学雑誌の中から、興味深い論文を取り上げて解説するコーナー)に、新しいコロナウイルスが空気中やモノの表面で、どれ位の時間生きているのかを調べた論文 How Long Does Coronavirus Survive in the Air and on Surfaces? が紹介されています。

その原論文(Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1)では、COVID-19と命名された病気・・・肺炎が主体の呼吸器感染症を引き起こす新たなコロナウイルス(SARS-CoV-2)は、エアロゾル(気体の中に微粒子が沢山含まれた状態のモノをいう。スプレーした噴霧物はエアロゾル)の形では数時間、物の表面では数日間生きているとしています。

また、ウイルスの半減期の中央値は、エアロゾルでは約1時間、(殺菌効果が高いとされる)銅製の表面では4時間、厚紙上では24時間、プラスチックとステンレス鋼の表面では72時間後には、生きたウイルスは検出されていません。

注:半減期とは、ある物質やその能力、機能、濃度などが、代謝など化学反応によって半分になるまでの時間。放射性物質の半減期は、ある放射性元素の原子の量が半分になって、放射能も半分になる時間。薬は、その半減期に応じて一日の服用回数が決まる。

また、この研究グループは、2002年11月の、中国広東省で見つかった非定型性肺炎患者に始まり、わずか8カ月の間に、37カ国/地域に広がり、8,100名弱が感染し、774名の命を奪った(致死率9.6%)最初のコロナウイルスによる感染症SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群)の原因ウイルスとの類似性や相違点を比較検討した、興味深い科学的検証です。

以下のグラフが、3種のコロナウイルスが、それぞれの状態 ①エアロゾル、②銅表面、③厚紙上、④ステンレス上、⑤プラスチック上で、どのように減っていったかが示されています。

詳しくは申しませんが、赤が現在パンデミック(世界的流行)中の新しいコロナウイルスCOVID-19、青がかつてはやったSARSのウイルスです。

共に、エアロゾル状で3時間は生きているのですから、まず、万一、自分が感染したら、人ごみの中に出てはいけないことが判ります。また、厚紙やステンレス、プラスチックの表面では、割合長く残っていることを見ると、外出後の手洗い、滅多やたらとモノを触りまくらないこと、その手で顔、特に鼻や目の周りを触らないことの重要性が判ります。新しいコロナウイルスは、以前のコロナウイルスよりも、いろいろなものの上で長生きする傾向があることも、気をつける根拠ですね。

さて、私たちは、病気だ!!というと医師・・・を連想しますが、この予防に重要な知見を報告しているグループは、決して医師、医学博士たちだけではなく、アメリカ国立アレルギー感染症研究所のPhD(Doctor of Philosophy、直訳は哲学博士だが、医学のような専門性ではなく、やや基礎的な学問での博士号)たちです。

今回のような世界的大流行(パンデミック)では、最初は、集団の健康を視ることに長けた公衆衛生専門家が必要です。そして、感染したかどうか判らない時には、感染の有無を検査するための検査専門家が、さらに多数の感染者が出てくると、病気の広がりを視る疫学専門家が、そして何よりも、病原体がどんなものか、その性質やどんな治療法があるか・・・病気を治療する医師と協力する微生物学者が薬理学者が必要です・・・と云った風に、多種多様な保健専門家の関与が必要です。

そして、次なる新たな感染症の発生を如何に防ぐか、他の国々とどのように協力するか・・・制度を作ったり、国際協力を企画運営する専門家も必要なのです。

いつか、多職種による地域保健制度について書かせて頂きます。

皆様、不要不急の外出を控え、くしゃみ咳嗽がある時と、人ごみに曝される時はマスク、そして外出から帰ったら、手洗い・・・ハッピーバースデーを2回歌う(前回参照)、そして規則正しい生活を。

但し、新たな病原体に、ある地域ある国の全員が感染しないということはあり得ない・・・予防は、あくまでいっせいに、大多数が感染することで、体力のない人々もが感染してしまうことを防ぎ、ワクチンや治療法の開発のための時間を稼ぐことにあります。COVID-19は、集団の30~60%の人々が、軽く罹って、集団免疫を獲得すれは、大流行は起こりません。が、絶対に感染しない・・・はあり得ない・・・集団として、上手に罹る・・・上手に病気と付き合うこと・・・なのだと理解致しましょう。

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