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Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

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5月12日

「今日は、何の日?」などと尋ねると、すべての看護師仲間からお叱りを受けましょう。

フローレンス・ナイチンゲールの誕生日であるが故に、「国際看護師の日」、「看護の日」です。

前者は、1965年(私が医学部を卒業した年)、国際看護師協会 (ICN) が制定しました。後者は、1991年(私がジョンズ・ホプキンス大学大学院に行った年)、当時の厚生省と日本看護協会が制定され、2002年(私がエイボン女性大賞を頂いた年)、看護婦の呼称が看護師と改まったことから、こちらも「国際看護師の日」に改称されています。

そして、今年、2020年はフローレンス・ナイチンゲールの生誕200周年です。

ナイチンゲールの伝記で有名なセシル・ウーダム・スミスの“Florence Nightingale 1820-1910”には、ナポレオン戦争(1795-1815)が終わった後、ヨーロッパでは、それまでの束縛がなくなったことで、人々はちょっと変わったことを切望していたとあります。コロナ後の私たちもそうなるでしょうか?で、1818年に結婚した美貌のMadamファニーと学究肌のMr.ウィリアムのナイチンゲールご夫妻は、何と2年間も新婚旅行を続けられ、その間にうまれた二人の娘に、いずれも生誕の地から名前をつけたのは、とても珍しいことだと書かれています。

少し、ほんの少し、ナイチンゲールの書かれたものを原書で読みました。が、世界に冠たる大英帝国ヴィクトリア朝の英語はなかなかに難しいです。

これもお叱りを受けますが、私は、フローレンス・ナイチンゲールを近代看護の祖とだけ縛ってはいけない、その業績は実に多様な分野にわたっており、看護だけにはこだわれない・・・と思ってしまいます。

が、お叱りを避けるために、大きく飛んで、2020年の中国の話です。

別添は、今年初めから、中国湖北省武漢ではじまった新型コロナウイルス感染症の初期に、中国中から集められた看護師医師ら医療職への聞き取り調査です。9名の看護師と4名の医師が対応していますが、医師のコメントにも、多くの看護師への敬意と感謝が述べられています。

中国の流行初期の医療提供者の経験 日本語20200429Lancet Global Health

The expriences of health-care providers during the COVID-19 crisis in China. aqualitative study LancetGl Hlth20200429

私どもは、2014年に始まる「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」の仲間たちの苦労や工夫を発信していますが、中国の医療者の壮絶な貢献の中に、看護師の占める位置がしっかりうかがえるのです。

まだ、しばらく気を緩められない状態が続き、おそらく、夏の後には、さらに激しい新型コロナ流行が控えているかもしれません。各方、油断召されるな!ですが、ご自愛の上、ご貢献下さい。