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今一度 フローレンス・ナイチンゲール

先週5月14日付 Time電子版の歴史欄に、「現在の看護師に道を拓いた人(She paved the way for today’s nurses)」という記事が出ました。著者のLily Rothmanは、ジャーナリズムと歴史を学んだ後、12年前、さっそうと現れたバラク・オバマの大統領選チームで働いた後、Time誌で、歴史記事を書かれているようです。

書き出しはこうです。

今日ほど、公衆衛生と医療において看護師が重要な時代はない。しかし、この専門職は、いつもきちんと敬意を払われてきたわけではない。今週は(5月14日の記事)、看護師が、パンデミック(世界的大流行)となったコロナウイルスとの闘いの第一線で働きいていることが認められるべく道筋をつけたひとりの女性の生誕200年目にあたる。その人こそフローレンス・ナイチンゲールだ。

その後、Rothmanの同僚Suyin Haynesがフローレンス・ナイチンゲール財団CEOのGreta Westwoodの思い出をなぞりつつ、「フローレンス・ナイチンゲールが現在の看護師の英雄的仕事への道を開いた方法(How Florence Nightingale Paved the Way for the Heroic Work of Nurses Today)」を述べています。確かに、「現在のパンデミックに際して、その第一線で看護師がなしていることを知ったら、ナイチンゲールは、きっと、誇らしく思うだろう」と云う結びには、私も全面的に賛成です。この全文は、添付をどうぞ。

The expriences of health-care providers during the COVID-19 crisis in China. aqualitative study LancetGl Hlth20200429 Time 記事 [現在の看護師に道を拓いた人」

後に看護師となり、フローレンス・ナイチンゲール財団CEOでもあるGreta Westwoodは、引退していたが、最近の新型コロナウイルスパンデミックに際して、ポーツマスの地域病院支援に復帰している。そのGretaが4歳だった頃の思い出が、「ランプをもった女性“Lady with the Lamp(ナイチンゲールがクリミア戦争時のスクタリの病院で、夜な夜なランプをもって傷病者を見回った)”」に始まる。

Gretaは云います。

暗闇の中、ランプの光で、傷病兵を看まわるナイチンゲールのイメージが、長年の看護師の献身的姿勢を支えているのだが、生誕200周年の今年、世界各地のコロナウイルスに立ち向かう看護師の姿からナイチンゲールのレガシーと、現在の看護への道を付けた彼女の偉大な功績が偲ばれると。

短くナイチンゲールの一生を振り返る中で、当時の上流階級の女性が職業をもつことを良しとせず、また、殊に評価されていなかった看護という行為を、きちんとした教育訓練を前提とする専門職に確立させたことを繰り返し評価しています。これらは、看護という仕事の確立だけではなく、女性の立場、今でいうならば、ジェンダー問題対策の魁でもあったと、私は思います。

クリミア戦争は、戦争史からみると、だらだらと闘ったものの、どの国もはっきり勝ったとは云えず、あえて云えば、ヨーロッパの中世を終わらせた戦いでした。これから世界は何を得たのかという気が、私はしますが、その最大成果は、ナイチンゲールによる看護、病院設計や管理という、現在、世界中が恩恵を受けている分野であったともいえそうです。

当時、戦死しても、家族に通知されないこともあった中で、位の下の、多分、読み書きもできなかったであろう兵士のために手紙を書いてあげる、そして、当然のようにそれをイギリスに送る・・・Gretaさんやナイチンゲール博物館のGreen館長は、ナイチンゲールの傷病者とその家族に対するまなざし、支援に注目しています。そしてそれこそが、現在のCOVID-19 にあって、世界の看護師がしていることにつながると指摘しています。

もう一点、重要なことがあります。

最近のコロナパンデミックでは、世界各国の首長の説明には、いつもグラフが用いられていますが、そのはじめはナイチンゲールのダイアグラムに帰するとしています。ナイチンゲールは、クリミア戦争以降、政府や大英帝国軍隊に提言する、あるいは意見を述べる際には、常にグラフや表を提示したそうですが、今でいうEvidence-basedの所見を、見える化していたのです。

一日も早くコロナパンデミックが収まって欲しいと、誰もが願っています。

多分、ナイチンゲールもそうでしょう。

改めて、この偉大な女性の生誕200周年をお祝致します。

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