会長ブログ Chair's Blog

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雨季・・・日本の梅雨と熱帯豪雨

梅の雨と書いて、ツユとよむ・・・のは、なぜか判りませんが、日本の季節の一つとして定着していると思います。が、最近と云っても、過去十年以上、子どもの頃の、シトシトという表現がぴったりだったツユとは様子が異なり、激しく、時に災害を起こす集中雨になっているように思います。でも、稲作によって生きてきたわが国では、田植え時のまとまった雨量こそが、私どもが生きながらえてきた理由だったはず、雨を嫌ってはいけないのですね。

その昔、郷里の宝塚です。4月上旬、小学校入学式の頃、冬の間、誰も入らなかった田んぼに、パラパラと人影が現れます。たいていは、地域の長老的男性で、田んぼの周りの畔やその傍の溝や、もう少し大きい疎水を見まわって、稲作の開始状況を点検していたのでしょう。同時に、大きな田んぼの一角に、苗代が作られました。

5月後半から6月にかけて、あちこちの田んぼに水が張られ、一面が水面<ミナモ>に代わります。夕焼けがそれに反映すると、素晴らしく美しい光景でした。そして、ほんの短い1週間か10日ほどの間、田んぼや疎水あたりに蛍が舞いました。夜遊び厳禁時代というか、日が暮れれば、地域に街灯はほとんどなく、闇夜は、それこそ真っ暗な時代でしたが、子ども同士が連れ立って、蛍を採りに行くことは許された季節の遊びでした。当時、宝塚では、麦を作っていた農家は多くなかったのですが、麦わらをつないで、器用に小さな蛍かごを作り、その中に、疎水の水草を入れて、蛍の家としました。成虫になった蛍は、水だけが生きる糧なので、子どもが取ってきたものは、1、2日で命を失いました。が、今思うと、そのようなか弱さというか、はかない命というものが存在すること、逆に言えば、命とは尽きるものだと知ることは、蛍に比べて、途方もなく長い時間を生きてゆかねばならない人間の、最初の時期、つまり子どもにとっては大事な生命の学習であったように思います。そしてカエルの合唱、田舎育ち故ですが、ホント、カエルの合唱はやかましい!!

梅雨は、中近東辺りからインド、また、南西アジア一帯の雨季とも関連するのでしょうが、日本の梅雨の降り方・・・シトシトと表現される降り方は、他の国の熱帯雨・・・スコールの豪快さとは全く違います。かつての海外勤務中には、何度かすさまじい豪雨を経験しています。

まずは、ミャンマー・・・1990年代半ばのヤンゴン郊外の、蓮池の傍の、瀟洒なレストランで、かつて一緒に働いたオランダ人栄養学者と食事中でした。テーブルなどはしゃれていましたが、屋根はトタン板だったのでしょう。突然、表現できない轟音で雨が始まりました。そして、小一時間、お互いの耳の傍で怒鳴らない限り聴こえないほどの雨音でした。雨に打たれて、ひしゃげていた熱帯の灌木も、次第にシャンとしてくる頃、黒々とした木々の向こうに大きな満月が上りました。美しい光景と、あの轟音・・・今も、その知人とメールするたびに、思い出しています。

それより数年前のパキスタン。アフガン難民支援に従事していた頃でした。パキスタンの南西部はイランに接しています。その国境辺りの難民キャンプを訪問した後、一天にわかに掻き曇り、あっという間に滝の中にいるような状態になりました。豪雨という以上の滝の中を走っているような・・・雨水はどんどん流れていたため、車が浸かることはなさそうでしたが、でも、恐怖心は大きく、自分で自分の心臓の音が聞こえていました。そんな天候急変にも、地元の運転手は慣れているのでしょうが、少し走って、しっかりした岩山の陰で、小一時間も待っていると、突然、青空になりました。もちろん、周囲は、拳大の石がゴロゴロしており、どこが道か判らない状態ではありましたが・・・

こんな経験は数度以上ありますが、毎回、ドキドキしました。アフガニスタンやパキスタンには、地元ではワッジと呼ばれる枯河があります。「ここは河だ」と云われると、確かに、水が流れたらしい気配はありますが、単に、少々、くぼみが続いているだけでもありました。そのようなところは、豪雨が来ると、文字通り、河になります。一度、橋もないワッジの前で、豪雨にあって、渡れないまま数時間、水が引くのを待ったこともありました。

日本の梅雨は、小笠原諸島と北海道にはありません。小笠原諸島は、東京都特別区ですが、東京都から1,000キロメートル南、北緯20度から27度ですから、沖縄県の宮古島あたりでしょうか。

日本は、小さな国土ですが、南北に細長い・・・今年の梅雨入りは、沖縄が5月11日、東京は、去年よりも4日、平年よりも3日遅い6月11日でした。一番入梅の遅い東北の北部は6月14日と、沖縄に比べて1か月以上も差があるのですね。桜前線と同じ・・・

その沖縄は1週間前、6月12日に梅雨が明けていますが、これは平年に比べて11日も早い・・・世界は新型コロナ感染症の広がりと、アメリカの大統領選挙、わが国では首都の知事選もありますが、世界の話題は気象異変に移動している様子です。
落ち着かない世情ですが、皆さま、手洗い、マスク、ソーシャルディスタンスをお忘れなく、ご健勝で・・・

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