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フィリピン歴史保存、進んでいます その1

去る7月24日から8月1日まで、フィリピンの「ハンセン病歴史保存」に関連して、いくつかの記念すべき進展がありました。

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その1 「フィリピン ハンセン病史」の編纂にむけて 
2013年8月フィリピン国立歴史委員会(National Historical Commission of the Philippines NHCR)のプロジェクトとして始まったこの企画は、去る7月24、25日の両日、北パラワン地方のコロン島で、一年目の進捗状況の報告を研究ドラフトの提出と報告という形で行いました。

項目別の執筆予定者13名中10名の研究者からフィリピンのハンセン病をめぐり、歴史的・時系列的、宗教・文化・空間的視点、心理・女性・語り、国際保健をテーマに報告がありました。研究執筆者はいずれもファーイースタン大学、フィリピン大学(マニラ/ディリマン)、デラサール大学、アテネオ デ マニラ大学、国立歴史委員会の現役の教授・研究者たち。

各報告に対してケンブリッジ大学(英国)のジョン マントンとクウィーンズランド大学(オーストラリア)のジョー ロバートソン両教授がコメントをするという形式でおこなわれました。総合司会は国立歴史委員会理事長のマリス セレナ ディオクノ氏(元フィリピン大学歴史学部長)という豪華メンバー。

報告者の一人は、自国のテーマを自国の視点で追及するのは極めて重要。それに対して国際的な視点からのコメントが加わるというのはプロダクティヴだというコメントがありました。2015年5月の完成が待たれます。
笹川記念保健協力財団は、世界の各地でハンセン病の歴史を残そうというこころみを支援しています。フィリピンの企画は、国立歴史委員会の主導で研究者のネットワークが生まれ、ハンセン病というテーマをとおして自国の歴史を描くという試みです。一つのモデルとして注目し、期待していきたいと思います。
(註:コロン島は首都マニラから飛行機で約一時間の距離にある。クリオン島にわたるにはコロン市の港から約90分の船旅が通例。近年コロン島はリゾート観光地として開発が進んでいる。)