JP / EN

News 新着情報

「ミス・アンド・ミスタースプラナショナル ハンセン病に関するフォーラム2025 」ポーランドで開催

2025年6月19日、世界中の美の代表者たちが、ポーランド南部マウォポルスカ県(県都クラクフ)に集い「ハンセン病」について学び、感じ、そして世界へ発信しました。

この日、笹川ハンセン病イニシアチブは、ミス・スプラナショナル事務局の協力を得て、「ミス・アンド・ミスター・スプラナショナル ハンセン病フォーラム2025」を開催しました。スプラナショナルとの初の開催から3年目となる今年は、2023年の対面、2024年のオンラインに続く第3回目、そして対面では2度目の開催となりました。

今年は新たな一歩として、初めてミスター・スプラナショナルの出場者も加わり、参加国はミス部門66カ国・地域、ミスター部門38カ国・地域。華やかな舞台で称えられる彼らが、今度は「見えない差別」について真剣に向き合う姿が印象的でした。

フォーラムには、当事者の声として、コロンビアの当事者団体「フェレハンセン(FELEHANSEN)」から、2024年度笹川ヤングスカラープログラムのスカラー2名が登壇。自らの体験を語るその姿に、参加者たちは真剣なまなざしを向けました。

午前の部は、ミス・スプラナショナル事務局のゲルハルト・パルツトゥカ・フォン・リピンスキ会長の開会挨拶から始まり、笹川陽平WHOハンセン病制圧大使のビデオメッセージが上映。続いて、ハンセン病に関する基本的な知識や社会的課題について、笹川保健財団の南里隆宏理事長が丁寧に解説しました。

スカラー2名によるライフストーリーの共有では、彼女たちがハンセン病を患ったことで夫に去られた過去や、長い間家に閉じこもらざるを得なかった日々の苦しみ、そしてそれらを乗り越えてきた歩みを、率直に語ってくれました。語られる一つひとつの言葉に、会場の参加者たちは真剣なまなざしで耳を傾け、深い感銘を受けていました。

また、2024年のミスとミスター・スプラナショナルの2名からは、1年間にわたるイニシアチブとの共同啓発活動の報告があり、続いて参加者たち自身が「これから自分にできること」についてアイデアを発表。時間の都合で壇上に立てなかった出場者たちも、昼食時間に動画撮影を行い、そのメッセージは後日YouTubeで公開されました。

2024年ミス・スプラナショナル ハラシュタ・ハイファ・ザハラ氏
2024年ミスター・スプラナショナル フェジレ・ムカイゼ氏

午後の部では、スカラーのひとり、アレクサンダー氏の提案により、「アート・クリエーション・ワークショップ」が実施されました。テーマは、「もし、あなたがハンセン病になったら、世界はどのように見えるでしょうか?」──参加者たちは、ポストカードサイズの紙にそれぞれの想いを込めて絵を描きました。

描きあげた作品を手に、8つのグループに分かれて語り合い、各グループの代表作を選定。最後に全体で共有し、スカラー2名が心に響いた作品を3点選びました。詩や歌を添える参加者も現れ、会場は芸術と感情が交錯する、温かな空気に包まれました。

アートクリエーションについて説明する当事者団体フェレハンセンのメンバー
参加者が描いたはがきサイズの絵

このフォーラムは、美を通じて世界をつなぐ彼らが、ハンセン病に対する理解を深め、当事者の声を社会に届けていく新たな一歩となりました。