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世界から届く 神 美知宏さんへ向けたメッセージ

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1996年5月4日 朝日新聞掲載

1996年のらい予防法廃止を機に、長年使った園名から本名に戻る選択をした神さん。

ハンセン病の偏見や差別はまだなくなってはいません。しかし、神さんを始め多くの偉大な人々なくしては、ここまで到達することもできませんでした。自分が変わり、家族を変わらせ、そして社会を変えていく。その行動力とコミットメントで全療協を率いてきた神さんの突然の訃報を聞き、
各地から悲しみの声が届いています。

アメリカの当事者より

「神さんは社会的公正と人権を訴え、世界中の人々にインスピレーションを与え続けました。
その端正な姿からは想像もつかないほど、回復者のエンパワメントと将来構想を熱く語っていた神さんのことを忘れることはできません」

インドの当事者より 
「神さんにはこれまで何度かお目にかかる機会がありましたが、最近にお目にかかったのは2010年と、2013年のことでした。神さんの急な旅立ちは、日本の皆さんにとって大きな衝撃であったことと思いますが日本の皆さんだけではなく、世界のハンセン病当事者、関係者にとっても同様です」

中国の当事者団体代表より 
「何年も前に広州においでになったときのことを、今でも鮮明に覚えています。それ以降、何度かお目にかかることもありましたが、当事者運動を率いるリーダーの1人として回復者の尊厳ある人生をめざして闘ってきた神さんの存在は、傑出していました」

フィリピンの当事者家族より
「入所者の人権、尊厳、そして生活の質の保証を求めて闘い続けてきた神さんは世界各地の多くの人にモデルを示してきました。神さんの早すぎる旅立ちは、日本の入所者の皆さまや、将来問題を考える関係者の皆さんにとって大きな損失となることでしょう。しかし神さんが長年にわたり率いてきた全療協を闘いのモデル、ビジョンとして見てきた各国の人々にとっても、大きな損失です。
これまでのお目にかかり、その経験を共有してくださった神さんに、あらためてお礼を申し上げると共に、心よりご冥福をお祈りいたします」