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コロンビア アグア・デ・ディオスの歴史を語る

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南米コロンビアにある2つの療養所の1つであるアグア・デ・ディオスの滞在もいよいよ明日までとなりました。毎年クリスマスの9日前から始まっているという毎朝5時と7時にそれぞれ15分から30分も教会から恐ろしい音量でクリスマスキャロルが流れてきます。クリスマスキャロルも陽気で南米的です。
また昨日、コロンビアを代表する非常に有名な歌手が急死したということで町中をこの歌手の歌う陽気な音楽が流れています。
さてこのアグア・デ・ディオス、人口は約13,000人の小さな市ですが、実は市の中心地に4つもミュージアムがあります。一つは回復者のハイメ・モリーナ・ギャルソンさんを中心としてハンセン病啓発活動や回復者の支援などを行う団体Corsohansen(コルソハンセン)ミュージアム。

コルソハンセンミュージアム

もう一つは療養所の中にあるハンセン病医療ミュージアム。

医療ミュージアム

もう一つはアグア・デ・ディオスで住民のための活動を続け、カソリックの「福者」と認められた、修道院の中にあるルイス・ヴァリアラ神父ミュージアム。

ルイス・ヴァリアラ神父ミュージアム

最後はコロンビアの著名な作曲家でアグア・デ・ディオスに入所したルイス・L. A. カルヴォ ミュージアム。

ルイス・L. A. カルヴォ ミュージアム

それぞれのミュージアムが、この歴史を大切に思う人たちによって作られたことがよく分かる、温かみのあるミュージアムです。
4つもミュージアムがあることからも分かるとおり、この町には、歴史を残していかなくてはならない、それもただ悲惨な歴史ではなく、その中にきらめくものがあったこと、そしてそれが現在につながっていることを残したいと思っている人が何人もいます。

その中の一人、両親がハンセン病にかかっていた第2世代のアンヘル・マリア・ククニャメ。エチェヴェリさんの言葉です。
「ハンセン病の問題はなくなったか?とんでもありません。今でもアグア・デ・ディオスに住んでいるというだけで、白い目で見られることもあります。でも、ハンセン病が今よりももっと恐ろしい病気だと思われていた時代がありました。その時代には、私たち、一人ひとりが罪を犯していたと思うのです。医療従事者は、患者を使って人体実験に近いことをやった。宗教関係者は、乳児院や幼児院で養育する子供の数で、政府からの補助金が出るため家の中を捜索して無理矢理に乳児を親から引き離して連れ去ることもした。警察は、医師がハンセン病と診断した人を、そのまま家族のもとから引き離し療養所に収容するなど、人権を踏みにじった。そして社会は、これが起こることを容認していた。私はそのことを忘れたくないのです。でもそれだけではありません。罪をとがめるだけでは、前には進めません。この歴史から何を学んだのか。そしてこの歴史から何を作るあげられるのか。それは私たちにかかっていると思いませんか?私は長い歴史を持つアグア・デ・ディオスが、ハンセン病の町として覚えられるのではなく、ハンセン病の歴史も持つ町として生まれ変わることを夢見ています」