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「妄想を構想に変える」第6回日本在宅医療連合学会でシンポジウム開催

スポンサードシンポジウムの様子
多彩な活動を発表した日本財団在宅看護センターネットワークのメンバーたち

日本在宅医療連合学会は、2019年に日本在宅医学会と日本在宅医療学会が合併して誕生した学会です。その年に開催された第1回の同学会大会から、笹川保健財団では、毎年スポンサードシンポジウムを開催しています。

第6回となる本年は、「在宅医療を紡ぐ」をテーマに、千葉県幕張メッセにおいて7月20日~21日の2日間での開催でしたが、両日とも朝8時から18時頃まで、シンポジウムやワークショップなどが隙間なく組まれ、在宅医療の盛り上がり、関心の高さが感じられました(プログラム、Web抄録はこちら)。

今年のスポンサードシンポジウムは初日の朝8時半から、トップバッターでしたが、70余名の方々にお越しいただき、「日本財団在宅看護センター 起業家育成事業 10年間のあゆみ」をテーマに、ネットワークの様々な事例を紹介しました。

全国に162か所ある「日本財団在宅看護センターネットワーク」のうち、北海道、神奈川県、和歌山県、岡山県、佐賀県、沖縄県の事業所計6か所から代表者がそれぞれ登壇し、それぞれの地域性やテーマに沿った発表を行ったほか、神奈川県立保健福祉大学教授の石原美和先生からは、指定発言として「在宅看護サービスへのアクセシビリティ向上のための政策研究」の研究結果を発表いただきました。

石原先生が実施した訪問看護ステーションの実態調査からは、訪問看護が自宅での暮らしを支えていると考えられる一方、緊急時にも医師の指示書が必要であることや、そもそも訪問/在宅看護が一般にも専門職間でも十分認知されていないことなどが浮き彫りになり、これらが訪問/在宅看護利用の阻害要因となっていることが指摘されました。

座長を務めた沼崎氏(左)と喜多(右)
座長を務めたネットワークの沼崎氏(左)と喜多(右)
シンポジウムでご発言いただいた石原先生
指定発言にて、訪問看護の認知や、訪問看護につなぐ仕組みに関する課題を挙げる石原先生

石原先生から「看護によるソーシャルイノベーション」と評価いただいたネットワークの各事業所のテーマについては以下からご覧いただけますが、岡山県で実践している病院と訪問看護間の看護師出向事業や、地域福祉にも介入した川崎の地域連携活動、離島での医療的ケア児受け入れ支援など、ユニークな活動が次々と紹介され、あらためてこのネットワークの多様さに驚かされました。

開業から3年半、訪問看護で産前産後の妊産婦支援、リプロダクティブヘルスケアを担う小六さんは、「今は妄想でいい。でもこれを構想に変えることで、笹川保健財団が掲げる”看護師が社会を変える”を実践していく」と発表を締めくくりました。

「妄想を構想に変える」べく、「看護師が社会を変える」の実践を目指す小六さんの発表

笹川保健財団 スポンサードシンポジウム

日本財団在宅看護センター 起業家育成事業 10年間のあゆみ

開催:7月20日(土)8:30〜10:00 幕張メッセ 国際会議場
座長:
・公益財団法人笹川保健財団 会長 喜多 悦子 
・「看多機(共生型)・在宅看護センター結の学校」事業統括所長 沼崎 美津子
指定発言:
神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学研究科 看護開発学 教授 石原 美和
テーマ・演者:
・【かんたきの役割】「看護小規模多機能型居宅介護びりーぶ」所長(佐賀市) 馬場 美代子
・【医療的ケア児を見護る共生型 幹はうす】「幹はうす」所長(和歌山市) 丸山 美智子

・【地域福祉連携】「地域まるごとケアステーション川崎」所長(川崎市) 磯野 祐子
・【訪問看護とリプロダクティブヘルスケア】「訪問看護・リハビリテーションセンターななかまど中央」所長(札幌市) 小六 真千子

・【離島への訪問】「在宅看護センターはなはな」所長(今帰仁村) 儀間 真由美
・【病院との連携】「訪問看護ステーション晴」所長(岡山市) 赤瀬 佳代