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【WHOハンセン病制圧大使ニュースレター122号】アフリカでの活動強化に向けて

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平氏(左)とエチオピア保健大臣メクデス・ダバ氏 (右)

私が”Don’t forget leprosy”キャンペーンの一環として、今年の2月にアフリカ最高峰のキリマンジャロに登頂したことはすでに報告させていただいたとおりである。特に、パンデミック下において、各国のハンセン病対策が中断する中、アフリカは最も深刻な影響を受けた地域の一つである。またアフリカには、ハンセン病の診断・治療を受けることが出来ない患者が数多く存在し、多くの患者・回復者・その家族らは未だ社会からの不当な差別を受けている。この事実を少しでも多くの人々に知ってもらいたい、それが私の目的であった。

一方で、このキリマンジャロ登頂は、私にとって「序章」に過ぎず、その「先」がある。それは「アフリカハンセン病サミット」の開催である。アフリカには、WHOが定めるハンセン病重点支援23か国のうち、その半数以上を占める13か国が存在する。これらの蔓延国を対象に、各国から保健大臣を招き、ハンセン病ゼロの実現に向けたコミットメントを得るとともに、各国政府担当官、当事者団体、NGO、研究機関、国際機関らの間で、それを実現するための方策を話し合うことがこの会議の目的である。すでにこの構想は先の世界保健総会で、テドロスWHO事務局長、サマテアフリカ連合委員会委員、アフリカ各国政府の保健大臣らと共有し、賛同を得ることが出来た。また、去る7月23-24日にエチオピアを訪問し、メクデス保健大臣およびエルゴギ女性社会問題大臣と面談し、2025年初頭に会議をアジスアベバで開催する旨、エチオピア政府からの了承を得ることが出来た。今後は、当事者団体を含む関係者が実務レベルでの会合を重ね、会議のプログラムを詰めていくこととなる。

私は、WHOハンセン病制圧大使として、この会議の開催を通じて、アフリカでのハンセン病ゼロの実現に向けた新たな潮流を築くことを期待している。関係者の皆さんからもこの取り組みに対し協力を賜ることが出来れば幸いに思う。

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平