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国立ハンセン病資料館の運営の基本とは・・・?

国立ハンセン病資料館の前身は、高松宮記念ハンセン病資料館と言います。日本の療養所は文芸活動が活発で、この文芸活動に関わっていた人たちが使っていたのが、1970年代半ばに作られたハンセン病図書館です。ハンセン病図書館も使用する人が徐々に減り、図書館の今後が協議されて出来たのが高松宮記念ハンセン病資料館です。

2012年10月24日と25日に開催された、歴史保存ワークショップの場で、高松宮記念ハンセン病資料館の創設メンバーの1人で、現在の国立ハンセン病資料館の運営委員、そして積極的に語り部活動をしている平沢保治さんに話を聞きました。

「ハンセン病の歴史は自分たちが語らなければ、社会から忘れ去られてしまう。忘れ去られてしまえば、どのようにして自分たちが生きてきたのかも忘れ去られ、なぜ生きてきたのか分からない、という切実な思いが、歴史を保存しようという思いにつながった。当初はこれに賛同する人は少数。入所者の大多数が、資料館の設立には反対した。ようやく心安らかに暮らせるようになってきたのに、なぜいまさらハンセン病の歴史の資料館を作り偏見や差別を呼び起こすようなことをするのか、と反対する人が大多数だった。しかし私は資料館の運営の基本は次の3つにあると思う。我々が幸せになれる社会は、社会の皆が幸せになれる社会であること。我々の運動は我々だけの運動ではなく、社会に寄与する運動であること。共に生きる社会を作らなくてはならないこと。
ハンセン病の資料館は、ハンセン病の歴史を伝えるだけではなく、社会の進歩に役に立つための資料館であり、生きるとは何か、命とは何なのかを問いかけ、またそれを目指す資料館である」