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ハンセン病の予防

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リファンピシン、ダプソン、クロファジミンの3剤は、現在最も効果的で、安全であり、服用の簡単なハンセン病治療法(MDT)の構成薬剤です。
この3剤の内、リファンピシンの予防薬としての効果に注目が集まっています。2001年から2009年にバングラデシュで実施された40,000人を対象としたフィールドでの治験結果によれば、予防としてリファンピシンを1回だけ服用することにより、2年間にハンセン病に感染する確立を60%減らすことができるのだそうです。この予防法(chemoprophylaxis with single dose refampicin)は、現在、世界保健機関(WHO)により推奨されています。2012年5月にはインドネシアで、この予防法の効果を調査するフィールド治験が始まります。
ハンセン病と同じ仲間の菌(Mycobacterium Tuberucurosis)により引き起こされる結核の予防として知られるBCGにも、ハンセン病を予防する効果があると言われています。また、ハンセン病の臨床症状の発現と食料事情(つまり、栄養状態)の間に関連がある、という大変興味深い調査結果もあります。
ハンセン病を引き起こす菌(Mycobacterium leprae)は感染力が極めて弱く、たとえ感染しても免疫力により自然治癒し、臨床症状が発現することは稀です。しかし、Mycobacterium Lepraeは実験室培養ができず、その感染経路や臨床症状発現の詳細な過程はまだ完全に解明されてはいません。
現在、ハンセン病患者の多くが、貧しい国に住んでいます。彼らの多くは、偏見と差別により、貧しい国の中でも更に貧しい環境に暮らしています。そう考えると、食料事情とハンセン病の発症との間に関連があるという調査結果は、頷ける気がします。