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フィリピンのクリオン島で歴史保存の取り組みが始まります

フィリピンのクリオンにあるクリオン療養所は、1906年にハワイのカラウパパ療養所をモデルに作られたハンセン病療養所です。フィリピン全土から患者が収容されたクリオン療養所は、世界最大級の隔離施設として、フィリピンだけではなく世界のハンセン病の歴史に大きい足跡を残しました。
現在約2万人の島民の大半は、回復者と初期医療従事者とその子孫で、フィリピン全土の文化とハンセン病の歴史が混じり合う特異な文化と歴史を有しています。
しかし1992年に、保健省直轄の療養所から一地方自治体として自分たちの足で歩み始めることを選んだクリオン島においては、歴史保存の優先順位は低く、歴史的に貴重な文書や資料は散逸するに任されていました。
2004年度より3年にわたり、当財団はクリオン島の歴史保存と資料館の改善を支援しましたが、それから4年の間に、新たに多くの文書や写真、生活用品などが見つかり、緊急的な対策が必要とされていることが分かりました。
このため、今回は新たに見つかったものの補修と保全、そしてクリオンに住む人たち自身が、自分たちの歴史を後世に語り継ぐためのシステム作りが、いま始まったところです。