JP / EN

News 新着情報

ネパールハンセン病全国会議2025が開催

笹川ハンセン病イニシアチブは、ネパール保健人口省、世界保健機関(WHO)、ならびにネパール法曹協会等と連携し、2025年5月8日(木)、9日(金)の2日間にわたり、カトマンズにて「ネパールハンセン病全国会議2025」の開催を支援しました。本会議には、ハンセン病当事者、保健人口省、州レベルの保健局長、医療従事者、研究者、NGO関係者など200名以上が参加し、「ハンセン病のない世界の実現」という共通の目標に向けた対話が行われました。

会議の開会式では、シャルマ・オリ首相が登壇し、「ハンセン病患者数が10,000人当たり1人未満に抑えられていることは成功の指標とされるが、それに満足せず、完全撲滅を目指す」と強調し、さらに、「ハンセン病患者に対する差別を防止するために法律を改正する」と述べました。また、プラディープ・パウデル保健人口大臣は、ハンセン病対策を国家的優先事項としての認識と、持続可能な戦略的枠組みの必要性を強調しました。

イニチアチブは、こうした政治的コミットメントの強化を後押しし、ハンセン病高蔓延地域での革新的戦略の模索、ならびに法的・制度的枠組みの強化に向けた合意形成の場として、本会議の実現を積極的に支援しました。会議では、これまでの成果や未解決の課題が共有され、2026年から2030年に向けた「国家ハンセン病戦略」の策定に資する主要な提言がまとめられました。

さらに、笹川陽平WHOハンセン病制圧大使をはじめ、ネパール法曹協会、連邦議会、IDEAネパール、WHOネパールなどの代表者が登壇し、法制度改革、人権保護、包摂社会の実現に向けた取り組みの重要性が強調されました。

本会議を通じて、ネパールにおけるハンセン病根絶に向けた国家的なコミットメントと責任の明確化、そして官民・地域・国際社会を横断する連携の重要性が再確認されました。イニシアチブは、今後もWHOや各パートナーと連携しながら、ネパール政府の戦略的取り組みを後押しし、2030年までのハンセン病のない世界の実現という目標達成に貢献してまいります。

ネパール シャルマ・オリ首相
ネパール保健人口大臣 プラディープ・パウデル氏
WHOネパール代表 ラジェシュ・サンバジラオ・パンダヴ博士
WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平氏
レセプションでは、イニシアチブの企画により、日本太鼓財団所属の橘太鼓「響座」による迫力ある演奏が披露された