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66号 大使メッセージ:見えない患者を見つけ出す~ブラジルとインドネシアから~

2013年12月と今年の1月、ブラジルとインドネシアを訪問した。ブラジルは年3万人以上、インドネシアは年2万人の新規患者が発見される。ブラジルでは、アマゾン河流域、インドネシアでは東部のパプア州を訪問した。

いずれの土地でも、私が会った患者たちの多くはかなり深刻な障害をすでにもっており、発見が遅かったことがわかる。家族間感染のケースもあった。ブラジルのパラー州で訪問した家族は40代の父と母、10代の娘2人と男の子のすべてが患者だった。パプアでは4歳の女の子の患者もいた。

ブラジルでもインドネシアでも、MDTの処方はヘルスセンターでなされている。辺境の地に住む患者にとって、一ヶ月に一回の薬を入手するための長い旅は金銭的にも困難なことである。そのため治療を途中でやめてしまう患者が多い。なんとか3ヶ月分あるいは6か月分の配布はできないものであろうか。

ハンセン病については両国の政府とも強いコミットメントを表明しているが、地方分権が進む中、中央のコミットメントが地方まではなかなか浸透しておらず、対策のための予算も人材も潤沢でなく、地方自治体の首長たちは、実態を把握していないようだった。

目の届かないところ、アクセスのむずかしい土地にまだまだ多くの患者が隠れているはずだ。 隠れた患者を見つけ出すためには、コミュニティのヘルスワーカー、助産師、宗教者、教育者、そしてなによりハンセン病回復者の助けを借りることも必要だ。診断されたらすぐに、適切な治療がすぐに行われなければならない。

ハンセン病サービスの質の持続のためには、これが必須である。早期発見と治療、これが鉄則である。

地方分権が進むブラジル、インドネシアにおいては、中央政府、地方自治体が力を合わせて、ハンセン病対策の優先度をあげて、患者を探しにゆく努力を一層してくれることを強く望む。WHOはこれらの問題解決のために当該国政府との対策協議を早急に行って欲しい。

WHOハンセン病制圧大使 笹川 陽平

66号PDF

MESSAGE: Hidden Cases in Brazil and Indonesia(見えない患者を見つけ出す~ブラジルとインドネシアから~)

GLOBAL APPEAL 2014: Speaking Out from Jakarta

HUMAN STORY: Thrown Away Like Garbage

AMBASSADOR’S JOURNAL: Journeys to Brazil, Colombia and Indonesia (1)

AMBASSADOR’S JOURNAL: Journeys to Brazil, Colombia and Indonesia (2)

AMBASSADOR’S JOURNAL: Journeys to Brazil, Colombia and Indonesia (3)

NEWS: A Role for Religions in Ending Stigma

FROM THE EDITORS: A NOBLE PRINCIPLE