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65号 大使メッセージ:超党派の協力

インドで、50名の国会議員が超党派で集い、ハンセン病差別撤廃のための国会議員連盟が組織されて活動を開始した。ハンセン病の患者、回復者とその家族の権利の擁護、尊厳の回復、そして生活、福祉の向上などの目的のためにそれぞれの選挙区でそして国会で活動をしてくれることになっている。

日本でも、ハンセン病の患者、回復者、その家族を支援する議員連盟が組織されており、療養所に暮らす回復者の生活環境と医療サービスの向上に尽力している。

インドにもこのような国会議員の集まりができたことを心から喜び、歓迎したい。特に、重要なことは、この議員の集まりが超党派であることだ。思想信条を超えて、政治的な強い影響力と実現能力をもった人々が力を貸してくれることにより、正しいハンセン病についての啓蒙活動や、患者・回復者が抱える法的、社会的、経済的な問題を解決してゆくスピードを速める原動力となってくれることが強く期待される。

中心人物である元鉄道大臣のトリヴェディ氏は、この議員団の取組みが長期的で継続的なものとなることを確約された。ハンセン病に感染したことによって差別を受け尊厳を損なわれる人々がインドからいなくなるまで活動は続く。「ハンセン病患者・回復者は私たちと共にいる――我々の兄弟であり、姉妹であり、母であり、父である。」と同氏は言われた。

ブラジルでも同様な動きが起こったばかりである。大統領府人権庁が指揮をとり、今年の8月、83名の国会議員が、国を挙げてのハンセン病を含む顧みられない熱帯病へのさらなる対策及び差別の撤廃を推し進める議員団が設立された。

私は、このような国会議員の集まりが、インド、ブラジルのみならずハンセン病で苦しむ世界の多くの国々にできることを期待する。国会議員が具体的な成果を上げるためには、われわれは的確な情報提供はもちろんのこと、緊密な連携を保つ必要がある。ともあれ、このインドとブラジルで起こった画期的な出来事を心から歓迎したい。

WHOハンセン病制圧大使 笹川 陽平

65号PDF

MESSAGE: Cross-party Cooperation(超党派の協力)

FOCUS: Back on Their Feet

SPOTLIGHT: Fighting Leprosy with Knowledge

OPINION: A Cruel Disease

MUSEUM PIECE: SHARED MARRIED QUARTERS

AMBASSADOR’S JOURNAL: Pushing for Progress

NEWS: Typhoon Haiyan Hits Culion Hard

FROM THE EDITORS: STRENGTH IN UNITY