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37号 大使メッセージ:原因のない結果はない

WHOが定めた「2005年までに世界各国で人口1万人あたりのハンセン病患者数を1人以下とし、公衆衛生上の問題としてのハンセン病を制圧する」という目標のもとで、これまで大きな成果があげられてきた。

一方でその取り組みは批判も受けてきた。とりわけ、各国がハンセン病制圧を達成した時、人々がハンセン病は過去の歴史と考えてしまう事が懸念された。しかしこの批判は全ての国に当てはまるものではない。

2007年に世界のハンセン病新患者数の約54%を占めていたインドは、数年前に制圧目標を達成したが、更に熱心な取り組みを続けている。ハンセン病の治療は一般保健サービスに統合され、政府は地方の保健プログラムを強化している。インドは近い将来にハンセン病を完全に根絶するための明確なビジョンを持っている。これとは対照的に、インドネシアやアフリカ諸国は、制圧に成功したとはいえ、そのレベルを維持していくために更なる努力が必要である。

残る未制圧国3カ国のうち、ネパールと東ティモールは今年中に制圧を達成する見込みである。最も大きな難題に直面しているのはブラジルである。ルラ大統領はどの指導者よりも、ハンセン病患者・回復者の生活を大事に考えておられる。大統領の関心の高さを考えると、なぜブラジルが制圧に遅れを取っているのか理解し難い。しかし、必ず原因はあるはずだ。

ブラジル政府と医療関係者の方々に、現在の状況を調査し、原因を突き止め、迅速に対処して頂くことを希望する。ブラジル政府の意見を尊重しつつ、WHOとそのパートナーは、これまで以上に積極的に協力していかなければならない。私自身も必要とあれば年に何回でもブラジルを訪れる用意がある。

1日も早く、すべての国がハンセン病制圧というマイルストンに到達する日が来ることを強く望む。そして我々は、より一層ハンセン病の課題軽減に努め、ハンセン病の根絶という最終目標の達成を目指そうではないか。

WHOハンセン病制圧大使  笹川 陽平

37号PDF

MESSAGE: There Must Be a Reason(原因のない結果はない)

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