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26号 大使メッセージ:国際社会からの尊敬と信頼を勝ち取ろう

昨年制圧に成功したマダガスカルを、その達成のお祝いと今後の継続的な制圧努力をお願いするために5月に訪問しました。2006年の末にはインドとアンゴラが制圧に成功しており、残る未制圧国はブラジル、ネパール、タンザニア、モザンビーク、コンゴ民主共和国の5カ国です。インドもアンゴラもマダガスカルも一時は制圧など不可能とまで考えられていた国々でしたが、政治指導者から末端の医療従事者に至るまでの多くの人々の強い責任感と献身的な努力によって歴史的な制圧が予想より早く成し遂げられたことは大変喜ばしいことです。

今日、ハンセン病の制圧は、数多くある様々な公衆衛生上の問題の中では比較的小さな問題です。しかし、国際的に定められた数値目標を、大きな困難を乗り越えて達成するということには大きな意味があります。その意味とは、その国家と国民の品格が確かなものとなるということです。すなわち、この一事によって、国とその国民は、国際社会からの尊敬と信頼を勝ち取ることができるのです。そして、それによって培われる自信が多くのほかの問題の解決へ向けての原動力となるのです。

私の訪問を受けてマダガスカルの大統領を始め多くの人々が国をあげての喜びを表現してくれました。上院議長は、「問題を解決したことがこのような形で国際的に認知され、わざわざお祝いをしていただくなどということはこの国始まって以来のことだ」と感激して私に話してくれました。

残る未制圧の5カ国でも制圧活動は着々と進んでいるという印象をもっています。モザンビークでは、大統領のイニシアチブにより、閣議でこの問題が討議され、今年度の国家政策目標として制圧への戦いが加速されることになりました。他の未制圧国でも同様にハンセン病制圧を国家政策上の目標として強力な活動が進められることを期待します。

しかし、ハンセン病の制圧は、制圧目標に達することだけでは十分ではありません。これで終わりではないのです。制圧を達成した国も、現在制圧に向けて努力している国も、重要なことは、緊密なパートナーシップのもとで、ハンセン病制圧の進展を維持し続けてゆくことです

WHOハンセン病制圧大使  笹川 陽平

No.26PDF

MESSAGE: Earning Trust and Respect(国際社会からの尊敬と信頼を勝ち取ろう)

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