ウェビナー:ブラジルにおけるハンセン病医療の現状
厚生労働省と日本皮膚科学会との共催により、日本における医療従事者や国際保健に関心のある方々を対象とした、オンラインでのハンセン病研修セミナーを開催しました。
ブラジルでは、2019年に約28,000人がハンセン病として診断され、その数は、インドに続き、世界で2番目となっています。セミナーでは、ブラジル保健省、汎米保健機関(PAHO)、ブラジルハンセン病学会、全国ハンセン病回復者団体Morhanの専門家を招き、ハンセン病医療の政策から臨床までを包含する、包括的なハンセン病医療の現状についてお話しいただきます。
開催日時:2020年12月13日(日)9:00-11:00(日本時間)
テーマ:ブラジルにおけるハンセン病医療の現状
共催:厚生労働省、日本皮膚科学会
参加申込:https://register.gotowebinar.com/register/6491701779550934795
モデレーター:南里 隆宏(笹川保健財団 常務理事)
プログラム:
- ご挨拶(9:00-9:15)
笹川 陽平 (WHOハンセン病制圧大使、日本財団 会長)
井原 正裕(厚生労働省 医政局 医療経営支援課 政策医療推進官)
石井 則久(日本皮膚科学会、国立療養所多磨全生園 園長)
- 講義(9:15-10:35)
- 「ブラジルにおけるハンセン病のコントロール活動」
講師 Prof. Ciro Martins Gomes
(ブラジル保健省 慢性病及び性病対策課 (DCCI)*、ブラジリア大学皮膚科学教授)
*DCCI: Department of Diseases of Chronic Conditions and Sexually Transmitted Infections
世界とブラジルにおけるハンセン病の伝播(ブラジルと日本を基にした疫学的モデル)や、ブラジルの保健システムの地方分権化、独特な治療スキームの採用、教育的な早期診断キャンペーンの他、ブラジルの国家戦略と現在の課題について解説。
- 「ブラジルハンセン病制圧のためのPAHOと政府の連携」
講師 Dr. Miguel Aragon Lopez & Dr. Joel Keravec
(汎米保健機関(PAHO) /世界保健機関(WHO)米州地域事務局)
- 「ハンセン病の臨床:典型的症例と症状の乏しい症例、無症候性疾患」
講師 Dr. Claudio Guedes Salgado
(ブラジルハンセン病学会 会長、パラ連邦大学 教授)
世界におけるハンセン病の有病率は過去30年の間に減少する一方で、新患率については過去10年間、ほぼ停滞しており、実際の患者数は公式に描かれているよりも何倍も高いことが予想される*。典型的な症例(Ridley and Jopling classification)、症状の乏しい症例、また日常的な臨床や、ブラジル中部、アマゾン地帯での訪問診療の際に診られる無症候性疾患について紹介。
*参考:https://en.infohansen.org/blog/the-saga-of-the-elimination-of-hansens-disease
- 「MORHAN: ハンセン病患者・回復者の社会復帰を目指して」
講師 Prof. Paula Soares Brandão
(ブラジル全国ハンセン病回復者団体Morhan*ボランティア、リオデジャネイロ大学、看護学教授)
* Morhan: Movimento de Reintegração das Pessoas Atingidas pela Hanseníase (Movement for the Reintegration of People Affected by Leprosy)
- 「ブラジルにおけるハンセン病のコントロール活動」
- Q&Aセッション(10:35-11:00)