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新型コロナ禍、地域を護る在宅看護師たち

新型コロナウイルスの広がりがとまりません。いわゆる「第3波」ですが、各地の感染者・・・検査で陽性確認された人や発病者の数が、日々、最多を更新し、以前にはなかった「重症者数」が報道に加わり、さらに「医療崩壊」という言葉がチラチラすることで、現に病気を持っていない高齢者も不安に駆られている、世界ではワクチン接種が始まりましたが、わが国は何時から・・・なのかもあります。

エッセンシャルワーカー(必須の働き手)との呼称も加わった保健医療者方ですが、ほぼ1年になろうとする緊張状態下に、今日も勤務が続いています。本当にお疲れ様様です。

本ブログでも何度か記しましたが、仲間の日本財団在宅看護センターネットワークの看護師たちも、同じ期間、地域の第一線での厳しい日々を過ごしています。経過をなぞってみました。

笹川保健財団では、8ヵ月間の研修の後、全国で開業した73名の仲間をつなぐ手段として、チャットワークというクラウド型ネット交流システムを利用しています。その中、最初のコロナ情報は、2020年1月16日、財団発出の同日付け厚生労働省コロナ症例発生情報、続けて24日に情報を送りました。

2月下旬以降、現場から、いわゆるPPE(ピーピーイー、Personal Protective Equipment:個人的防御具。医療現場で危険な病原体への暴露防止のための衣類、道具)の不足懸念が散見されはじめ、財団からは感染者情報や少しずつ明らかになりつつあった症状や経過を発信しています。3月13日、各事業所のコロナ対策や懸念をお尋ねし、財団として可能な支援策を考えました。その中、研修一期生の呼びかけで、4月8日に第一回コロナ対策ネット会議が行われました。その際の検討は「【コロナ対策】訪問看護ステーションが今できること」として、簡単なポスターに掲載しましたところ、1、2ヵ月の間に2万近い、現在までに33,000以上の閲覧を頂いています。現場での問題把握とそのための対策が同業の方々の参考になったのであれば、本当にうれしいことでした。このネット会議は不定期に継続されています、また、近隣大手同業者との連携を始めた仲間など、新たな体制、行動をとる仲間が増えました。現在では、皆が何らかの対応を講じています。

今や、すべての訪問/在宅看護事業所はコロナ侵入を避けられない状態です。

仲間からの報告では、お世話中の方の感染が判明し、スタッフを含め、濃厚接触者として、一定日数の隔離を余儀なくされたり、感染が判明している方への訪問を依頼されたりと、with corona、コロナと共に、の日々が続いています。具体的事例はありませんが、看護という責務を担っているスタッフの家族・・・子どもへの差別偏見にも気を使わなくてはならないようですし、このパンデミック(世界的大流行)の波がいつ終わるか、その見込みがつかないことこそが重苦しさと緊張と疲労を増やしているようです。

特に第3波以降、各地で赤信号とか、コロナ重症センターの運用開始、それが限界に近づきつつあるなどの報道も散見されます。

医療施設では、面会謝絶という方法もありますが、在宅ケアでは家族をはじめ、多種多様な人々が複数関与しての生活が基本です。利用者一人を隔離することが不可能なうえ、これさえ講じればという絶対的な方法は皆無です。

さらに、在宅療養者が感染し入院隔離されると、いわゆる廃用症状(高齢者の著しい体力低下)が生じて、以後の生活に著しい不自由が生じていることもある上、地域によっては、休業や失業の影響からでしょうか、虐待や自殺未遂、コロナうつなどなど、精神的ケアの必要度が増えているところもあるようです。

万一、スタッフの複数同時感染などから、休業を余儀なくされた時の対応として、同地域の数ヵ所の同業者連携や、常日頃、協働している医療施設や在宅医との連携も行われているようです。実際には、そのような緊急体制を要することは起こっていないようですが、管理者の緊張は解ける間もない日々のようです。

ネットワークの仲間では、今日まで、休業を余儀なくされた事務所は出ていません。しかし、それは、今までの僥倖に過ぎないかもしれません。ある地域、ある市町村、ある都道府県、日本だけでなく、世界中でコロナウイルスが跋扈いている現在、地域の第一線、地域社会の人々の傍で、人々と地域の健康を護るために活躍している訪問在宅看護師の皆様にも、つかの間でもよろしい、ホッとする時間と場がありますように、と願います。

小さな、小さな、目に見えない小さなウイルスが、短期間に国境を越えて世界中の人々を痛めつけています・・・それに対して、地域に足をつけた看護師たちは、日夜、その地域の人々の健康を護るチームの一員として活躍しています。彼女ら彼らの日々が恙なきことを祈らずにはおれません。