【コロナ対策】訪問看護ステーションが今できること
新型コロナウイルス感染が全国に広がる中、経営者として活動している「日本財団在宅看護センター」起業家看護師たちは様々な選択と判断を迫られる日々が続いています。4月5日、全国から24名がビデオ会議に参加し、現状と可能な対策を話し合いました。そのまとめを下記に図示します。
ここに記します情報は、科学的データに基づいたものではなく、それぞれの事業所が試行錯誤しているものであることをご了承ください。
不安な日々が続く中、全国で奮闘する訪問看護師の皆様のヒントになればと願い掲示します。
ご意見・ご助言等ございましたら、community_health@shf.or.jpまでお願いします。
▼訪問看護ステーションができること
①食事をする際は喋らず、食べ終わってからマスクをして話すよう注意喚起する
②スタッフミーティングを開く際は、換気に注意する
③事務所の同じ部屋に複数人が入らないように座席の動線を変更する
④マスクの残数や使い方、気を付けてもらいたいことを紙に書いて周知する
⑤床、ドアノブ、テーブル、コピー機など皆が触れる場所は次亜塩素酸を希釈し、朝夕二回清拭する
⑥使用機材(聴診器やサチュレーションモニター等)は、毎日洗えるものは洗い、消毒できるものは消毒する
①ミーティングはWeb会議で実施する
②基本的には直行直帰にする
③朝は検温して出勤し、検温表に記入する。37℃未満で出勤可能とする
④各自が「コロナを持っている」と思って行動するようにと声をかける
⑤訪問前に都度ユニフォームに消毒液を噴霧する。
推奨:エタノール50%以上の液体(リセッシュ除菌 EX プロテクトガード(原液)等)を約20cmの距離からの計3回の噴霧(約1mL/回)※1※2
⑥毎日コロナに関する情報共有・注意喚起を行う。ダブルワークの場合は勤務先の状況を把握する
⑦コロナ陽性の利用者を看る場合は、専用看護師をつくり、多数で関わらないようにする
⑧ユニフォームは事務所内で毎日洗濯する
⑨マスクの正しい外し方(手洗い→マスクを外す→再度手洗い)を徹底する
※1 医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について,北里大学
Ⅲ.利用者への対応
①訪問前に検温・体調確認を電話で行ってから訪問する
②咳や発熱がある利用者は1日の最後に訪問するようスケジュール変更してもらう
③咳や発熱がある場合は、利用者・家族もマスク着用するよう依頼する
④手洗い・消毒は利用者、家族の前で見せながら実施する。手洗い用の液体石鹸は持参する
⑤ケア提供前に手を洗い、手拭きにはペーパータオルを使用する。このペーパータオルは袋に入れて持ち帰る。手洗い後にはアルコール消毒を行う。ケア終了後にもう一度手洗い、アルコール消毒を行う。この際に使用したペーパータオルは利用者宅で処分してもらう。
⑥利用者宅にある物品(血圧計・体温計等)を使用する
⑦家で出来る対策(手洗い方法、マスクの正しい付け方・外し方、換気方法など訪問看護財団や、厚労省の情報を引用)を全利用者に配布する
⑧コロナウイルス感染症のステーションの方針について通知文を作成し配布する〔参考例:日本訪問看護財団作成〕
Ⅳ.他職種との連携
①訪問介護事業所等へも訪問前に利用者に検温を依頼するようケアマネを通して依頼する。手洗い手順や感染の疑いのある利用者への対応方法等をヘルパー・ケアマネ等へ連絡しておく
②緊急事態宣言やスタッフ家族に感染者が出た場合の対応について各事業所と協議しておく
Ⅴ.物品不足対応 ~マスク不足への対応方法について~
・Facebook等のSNSで発信したら、友人家族が寄付してくれたケースがあった
・マスクにガーゼを挟みアルコール消毒をして再利用する
・ミルトン(次亜塩素酸ナトリウム)を使用して洗浄し再利用する
・中性洗剤×キエルキンを使用して洗浄し再利用する
・A2Careを使用して再利用する
Ⅴ.物品不足対応 ~衛生材料・物品の代替方法~
・アルコール消毒がない場合は、無水エタノール400mlに対し、精製水を100mlで薄めて使用する
・防護服がない場合は、薄手のレインコートを着用し、袖口をビニールで長くして、輪ゴムで留める等して対応する
・ゴーグルは使い捨てにしなければならずコストがかかる為、サランラップを目に覆い後頭部でしばり、その後でキャップを被りマスクをする。キャップがない場合はシャワーキャップを代用する
・フェイスガードはクリアポケットと、カチューシャと両面テープで代用する

起業家看護師によるネット会議の様子
「Ⅱ.スタッフ対応」「Ⅲ.利用者への対応」について、以下の記載に誤りがありました。お詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。
【訂正前】⑤訪問前に都度ユニフォームにファブリーズ(アルコール成分入り)を噴霧する
【訂正後】⑤訪問前に都度ユニフォームに消毒液を噴霧する。
推奨:エタノール50%以上の液体(リセッシュ除菌 EX プロテクトガード(原液)等)を約20cmの距離からの計3回の噴霧(約1mL/回)※1※2
※1 医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について,北里大学
※2 消毒薬のQ&A 白衣や衣服への噴霧消毒は?,健栄製薬 (訂正日:2020/06/17)
【訂正前】⑤手拭きにはペーパータオルを使用する。訪問時、使用したペータータオルは袋に入れて持ち帰り、事業所で袋ごと処分する
【訂正後】
⑤ケア提供前に手を洗い、手拭きにはペーパータオルを使用しする。このペーパータオルは袋に入れて持ち帰る。手洗い後にはアルコール消毒を行う。ケア終了後にもう一度手洗い、アルコール消毒を行う。この際に使用したペーパータオルは利用者宅で処分してもらう。 (訂正日:2020/04/19)
皆さまにご迷惑をお掛けしましたことをお詫びいたします。