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地域における看護の役割-第77回日本公衆衛生学会シンポジウムから

先週、福島県郡山市で、第77回日本公衆衛生学会が開催されました。福島県・・・東北大震災時の東京電力福島第一発電所の事故による、放射線災害の地です。学会場になった通称「ビッグパレットふくしま」は、1998年10月に開館し、本年20周年を迎えた正式名「福島県産業交流館」です。あの災害時、最大2,500人以上の被災された方々が数カ月を過ごされたと記憶しています。

それから、7年半が経ちましたが、福島県では、未だに放射能の影響が色濃く残っています。そして、この学会も、テーマを「ゆりかごから看取りまでの公衆衛生~災害から考える健康支援~」とされています。会長講演や、特別講演、優秀発表などにも、災害関連が多く見受けられましたが、そのいずれもが、かの災害が、未だに終わっていないことを示していました。外部にいる私どもが、何もできない、しないではなく、最低限、しっかり関心を持ち続ける必要があると、改めて痛感しました。

さて、日本財団在宅看護センター起業家育成事業は、只今、5期生が先輩や関連施設で、実習中ですが、この学会では、1期生が公募シンポジウムにチャレンジしました。すったもんだの挙句、「在宅看取りの多様性と看護師の役割」のテーマ、共同座長には、財団理事であり、聖路加国際大学公衆衛生大学院研究科長の遠藤弘良先生をお願い致しました。

共同座長 遠藤弘良先生と質疑応答

そもそも、公衆衛生分野は、当然ですが、パブリックヘルス関係の専門家の学会であり、実地の在宅看護のテーマが馴染むだろうか・・・、それに同時並行でいくつものシンポジウムがあるので、相当広い会場に、ポツポツの聴衆かと心配しましたが、180名程度の方々参加下され、そして質問も沢山頂き、地域保健の中の看護師の役割が必要とされ、また、認知されてきていることを実感し、そして、責任の大きさを痛感した次第です。

1期生と会場前で

おまけは、発表者の一人の経営する福島市の看護小規模多機能型居宅介護事業所(看多機)「結の学校」を、発表者全員が突然見学に押し寄せました。きびきびと働いている仲間の姿、学会発表と同じように眩しく見えました。

結の学校