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笹川保健財団恒例 ネット公開講座2025年度「在宅医療と看護」 =在宅医療と看護、新しい時代へ 2026年1月9、16、21、30日です。

今年は、日本社会にとって大きな転換点となる一年になるのではないでしょうか。
政治の世界ではありますが、高市早苗首相が誕生しました。小欄(2025年10月6日「初めての・・・」)でも取り上げましたが、女性の首長はたくさんいらっしゃいます。でも、どの国でも、「最初の・・・」と形容詞がついて紹介されること・・・世の中、男性だけでなりたっているわけではないのに、ね。ともあれ、わが国初の女性宰相は歴史的であり、国のかたちや将来像そして日々の暮らし方についても新たな議論が生まれつつあるように思います。何より、何かが変わった、変わるではなく、変えよう!という気分がみなぎっているように思います。

高市内閣(内閣広報室|Cabinet Public Affairs Office, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=177175373による)

その一方、首相の性別とは関係なく、日々が進むのは世界中どこでも同じです。が、私たちをめぐる状況のなかで由々しきことは超高齢化と少子化の進行です。私たちは、生まれたその日から死に向かって生きているとも申せますし、すべての人は必ず死を迎えます。どう足掻いても死を免れることはありません。年をとるということを止めることも不可能ですが、一方、「あなたはあと500年生きますよ!」といわれると、うれしいよりも大変だぁ・・・という気がします。ほどほどに終わることは良いこと、と私は思っています。

とはいえ由々しき状態といってもよいような医療人材の不足、独居高齢者の増加など、「暮らしの場」で起きている課題はますます鮮明、深刻になっています。超高齢少子化の日本、どうしたらよいでしょうか?

2025年度の恒例ネット公開講座「在宅医療と看護」は、これから当たり前になる在宅での医療、療養のあり方を3人の外部エキスパートと、「日本財団在宅看護センターネットワーク」の仲間3人に論じていただきます。

これからの医療のあり方は、何がなんでも病院ではなく、特に高齢者のジワジワと低下する健康状態を踏まえての療養は自宅、あるいは地域の生活の場で行われるようになりましょう。
そうです。在宅が今後の保健医療のキーワードです。

公開講座の第1回 1月9日(金)は、医療法人社団悠翔会の総帥 佐々木淳先生です。『悠翔会は、「チーム在宅医療」の理想を追求し、超高齢化していく首都圏にお住まいの人々を支えます。』とありますが、先生は国内各地から海外まで、神出鬼没で在宅医療のあるべき姿を推奨されています。
第2回 1月16日(金)は、訪問看護の第一人者秋山正子先生です。株式会社ケアーズ 白十字訪問看護ステーション他、あらゆる在宅看護の局面で、先生のお名前を拝見しますし、先生のご活躍を知らない人はいないでしょう。私どものネットワーク研修の講師もお願いしています。

第3回 1月21日(水)は、そのネットワークの仲間がそれぞれの地域の経験を話します。社会人経験後看護師になり、東京都豊島区で在学看護事務所を立ちあげて6年目の江戸英雄、歴史豊富な島根県ながら人口減著しい島根県雲南市で地域を護る中澤ちひろ、和歌山市で医療的ケア児主体の在宅看護、看護小規模多機能型居宅介護(通称カンタキ)で多様な支援を繰り広げている丸山美智子の三人です。

最後の第4回は1月30日、ノンフィクションライター中澤まゆみ先生です。認知症カフェの運営他、多数の在宅介護関連の書籍をご出版されています。行政にも関与して「住み慣れた地域で最期まで暮らそう!」を繰り広げておられます。

公開講座は、無料ですが、事前のお申し込みをお願いします。皆さま、奮ってご参加ください。

私どもは、在宅看護師による在宅での医療と生活を支えること、そして住民お一人お一人が、いくつになってもどのような健康状態であっても、望まれるような療養と生活を自宅で続けられるような、単に医療を在宅で行います!ではなく、その人の人生や暮らしを尊重しての生活の場での看護活動を行いたいと願っています。要は、看護師が保健医療の他の専門家とも連携しつつ在宅での医療と生活をまもりたい・・・と願っています。

女性の宰相率いる政府が時代を変える・・・その先端にあって看護師が人々の生活を支える・・・来年もその夢に向かって走ります。ご支援ご指導よろしくお願いします。